プレスリリース
報道関係各位
本資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2026年6月4日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.novartis.comをご参照ください。なお、本製品は日本では未承認です。
- Atrasentanは、第III相ALIGN試験での補助的なeGFR slope解析に基づき、プラセボと比較して腎機能低下の進行速度を約34%抑制1
- Atrasentanは、9ヵ月時点で尿蛋白をプラセボと比較して38.3%減少させ、その効果は治療終了時まで持続1,2
- Atrasentanは、SGLT2阻害薬を背景治療として併用している患者においても、プラセボと比較して腎機能低下がより緩やかであるとの一貫した結果を示した1,2
2026年6月4日、スイス・バーゼル発 – ノバルティスは、成人IgA腎症患者において、atrasentanがプラセボと比較して腎機能低下を抑制することを示す、第III相ALIGN試験の2.5年間の最終結果を公表しました1,2。本結果はThe Lancet誌に掲載され、欧州腎臓学会(ERA)で発表されました。
推算糸球体濾過量(eGFR)のベースラインからの変化はatrasentanでより良好であったほか、尿蛋白減少は投与完了時まで持続しました。また、腎機能を評価するさまざまな指標に加え、ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬を背景治療として併用している患者でも、有効性は一貫して認められました1,2。
Stanford University Medical CenterのGlomerular Disease Centerの責任者兼同大学医学部腎臓内科教授で、ALIGN試験の治験責任医師兼Steering CommitteeのメンバーでもあるRichard Lafayette, MD, FACPは次のように述べています。「今回の結果は、2年以上にわたる治療期間において臨床的に意義のある腎機能低下の抑制を示す頑健なエビデンスであり、これまでの解析で示された尿蛋白減少の結果を裏付けるものです。また、IgA腎症に対する進化しつつある治療アプローチの中で、エンドセリンA受容体に高い選択性を有する拮抗薬の役割の重要性を示唆しています」。
主要な有効性の結果1,2
| 評価項目 | atrasentan | プラセボ | プラセボとの比較による効果 |
| 【主な解析対象集団】 | |||
| 試験終了時(136週時点)*におけるeGFRのベースラインからの変化 | -7.5 | -9.9 | 2.4(p=0.057) |
| 投与完了時(132週時点)におけるeGFRのベースラインからの変化 | -6.9 | -9.5 | 2.6(p=0.039) |
| 年換算 eGFR total slope(0週-136週) | -2.7 | -4.1 | 1.4(約34%腎機能低下速度の抑制; p=0.003) |
| 9ヵ月(36週)時点における尿蛋白/クレアチニン比(UPCR)のベースラインからの変化† | -39.5% | -1.9% | 38.3%の相対減少 |
| 投与完了時(132週時点)におけるUPCRのベースラインからの変化 † | -28.8% | -0.6% | 28.4%の相対減少 |
| 【SGLT2阻害薬を併用している集団】 | |||
| 試験終了時(136週時点)におけるeGFRのベースラインからの変化* | -1.5 | -10.6 | 9.1(p=0.004) |
* 投与完了(132週時点)から4週間(追跡期間)後
† UPCRは、36週時点では24時間蓄尿により評価し、132週時点では早朝第一尿により評価した
主な解析対象集団での試験終了時におけるeGFRのベースラインからの変化を除き、すべてのp値は名目上の値である。また、すべて両側p値である。ベースラインからのeGFR変化は mL/min/1.73 m²で示し、年換算 eGFR slopeは mL/min/1.73 m²/年で示す。
ノバルティスの循環器・腎臓・代謝デベロップメントユニットのグローバルヘッドであるRuchira Glaser, MD, MSは次のように述べています。「ALIGN試験の結果は、atrasentanがIgA腎症における基盤治療となる可能性を補強するとともに、継続的なイノベーションを通じて長期的な腎保護の実現を目指す当社のコミットメントを示すものです。さらに、幅広いポートフォリオとあわせて、これらのデータは、この進行性疾患の管理におけるエビデンスに基づくアプローチに対する信頼を一層高めるものです」。
Atrasentanの安全性プロファイルはこれまでの試験結果と一致しており、有害事象はプラセボと同程度で、新たな安全性の懸念は認められませんでした1-4。
Atrasentanは、2025年に成人IgA腎症患者における蛋白尿減少を適応として、米国および中国で迅速承認を取得しました5-6。ノバルティスは、今回のデータを用いて、2026年に通常承認申請を行う予定です。
IgA腎症について
IgA腎症は進行性の自己免疫性腎疾患であり、毎年、全世界で100万人あたり約25人が新たにIgA腎症と診断されています7,8。IgA腎症は、腎臓の微小な濾過装置の炎症、尿中の過剰な蛋白、eGFRが徐々に低下することを引き起こすため、身体を激しく衰弱させます9。持続性蛋白尿を有する患者の最大50%が診断から10~20年以内に腎不全に進行し、多くの場合、長期にわたる疾患管理の一環として透析や腎移植が必要となります8-13。
さらに、IgA腎症の患者は、精神的・社会的な課題に直面することも少なくありません9-12。支持療法は疾患の根本原因に対応しておらず、多くの場合、疾患進行を抑制できていないため、IgA腎症に対する標的療法の必要性が高まっています10-15。
ALIGN試験について1-4,15
ALIGN試験(NCT04573478)は、腎機能低下の進行リスクを有するIgA腎症患者を対象に、atrasentanとプラセボの有効性および安全性を比較する第III相、国際共同、多施設共同、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照試験です。レニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬による最適化された治療にもかかわらず、ベースラインの尿中総蛋白が1日あたり1g以上で、生検でIgA腎症と確定診断された患者340例が、約132週間にわたり、atrasentan(0.75 mg)またはプラセボを1日1回経口投与するコホートにランダム化されました。同時に、患者は支持療法として、最大耐量かつ一定用量のRAS阻害薬の投与を継続しました。さらに、RAS阻害薬に加えてSGLT2阻害薬による治療を少なくとも12週間受けている患者64例も追加コホートとして組み入れられました。中間解析(270例)における主要評価項目は、36週時点における24時間畜尿によるUPCRで評価した尿蛋白のベースラインからの変化でした。最終解析における主な副次評価項目は、136週時点におけるeGFRで評価した腎機能のベースラインからの変化です。そのほかの副次有効性評価項目に加え、安全性および忍容性も評価しています。
Atrasentanについて
Atrasentanは、IgA腎症の進行に関与する主要な経路の一つであるエンドセリン系に作用する強力かつエンドセリンA(ETA)受容体に対して高い選択性を有する拮抗薬です3,16-18。
Atrasentanは、原発性IgA腎症に対して承認された初めてかつ唯一の選択的ETA受容体拮抗薬であり、1日1回経口投与の治療薬です。また、用量調整を必要とせず、既存の支持療法(例:SGLT2阻害薬併用の有無を問わないRAS阻害薬)に追加または併用することが可能です5,6。Atrasentanは、リスク評価・緩和戦略(REMS)プログラムの対象ではありません。エンドセリン受容体拮抗薬の中にはアミノトランスフェラーゼの上昇、肝毒性および肝不全を引き起こしたものがあるため、医師はatrasentanの投与開始前および臨床的に必要と判断される場合には投与期間中に肝酵素検査を実施する必要があります。また、atrasentanは重篤な先天異常を引き起こす可能性があります5。
腎疾患におけるノバルティスの取り組み
ノバルティスは、腎移植から始まった40年以上の知見をもとに、アンメットニーズの高い腎疾患をはじめとして、腎臓の健康における飛躍的な進歩と変革を支援することを使命としています。Atrasentanに加えて、ファビハルタ®(イプタコパン)†および開発中の化合物zigakibartを含む複数の開発候補品からなるIgA腎症ポートフォリオの開発を進めています。
これまで、これらの疾患はファンディングや研究が十分に行われず、治療の多くが対症的または末期の疾患管理に比重が置かれており、身体的、精神的、経済的にも負担の大きいものでした。ノバルティスのパイプラインは疾患の根本治療を標的とし、腎臓の健康を守り、透析や移植への移行を遅らせる、または防ぐことを目指しています。ノバルティスの目標は、患者さんが仕事や学校、大切な人たちと過ごす時間など、自分らしい生活を取り戻すことを支援することです。患者さん、支援団体、医師、政策立案者と連携することで、疾患に関する認知を向上し、早期診断を促進し、患者さんが早期に適切な治療が受けられるよう取り組んでいます。
†日本ではIgA腎症に対して適応未承認
ノバルティスについて
ノバルティスは、革新的医薬品の研究、開発、製造、販売を行うグローバル製薬企業です。私たちは、患者さん、医療従事者の皆さん、そして社会とともに困難な病気に立ち向かい、より充実した健やかな毎日を実現する医薬の未来を描いています。ノバルティスの医薬品は、世界中で3億人以上の人々に届けられています。
ノバルティスとともに、医薬の未来を描きましょう。詳しくはhttps://www.novartis.com をご覧ください。また、LinkedIn、Facebook、X/Twitter、Instagramで私たちとつながってください。
以上
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参考文献
- Heerspink HJL, et al. Final 2.5‑year results from the Phase III ALIGN study in IgA nephropathy. Presented at the European Renal Association (ERA) Congress; June 2026; Glasgow, U.K.
- Heerspink HJL, Jardine MJ, Kohan DE, et al. Atrasentan in patients with IgA nephropathy: final 2.5‑year results from the randomised, double‑blind, placebo‑controlled phase 3 ALIGN trial. The Lancet. Published online June 4, 2026.
- Heerspink HJL, Jardine M, Kohan DE, et al. Atrasentan in patients with IgA nephropathy. New England Journal of Medicine. 2025; 392(6): 544–554.
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- Novartis Pharmaceuticals Corporation. Novartis receives FDA accelerated approval for Vanrafia® (atrasentan), the first and only selective endothelin A receptor antagonist for proteinuria reduction in primary IgA nephropathy (IgAN). Available at: https://www.novartis.com/news/media-releases/novartis-receives-fda-accelerated-approval-vanrafia-atrasentan-first-and-only-selective-endothelin-receptor-antagonist-proteinuria-reduction-primary-iga-nephropathy-igan. Accessed in May 2026.
- Novartis China. Novartis innovative medicine Vanrafia® (atrasentan) approved in China for IgA nephropathy. Available at: https://www.novartis.com.cn/news/nuohuachuangxinyaowunuoruidayansuanaqushengtanpianigashenbingshiyingzhengzaizhongguohuopi. Accessed in May 2026.
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