Jun 24, 2026

プレスリリース

報道関係各位

本資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が202664日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.novartis.comをご参照ください。なお、本製品は日本では未承認です。

  • Atrasentanは、第IIIALIGN試験での補助的なeGFR slope解析に基づき、プラセボと比較して腎機能低下の進行速度を約34%抑制1
  • Atrasentanは、9ヵ月時点で尿蛋白をプラセボと比較して38.3%減少させ、その効果は治療終了時まで持続1,2
  • Atrasentanは、SGLT2阻害薬を背景治療として併用している患者においても、プラセボと比較して腎機能低下がより緩やかであるとの一貫した結果を示した1,2


202664日、スイス・バーゼル発 – ノバルティスは、成人IgA腎症患者において、atrasentanがプラセボと比較して腎機能低下を抑制することを示す、第IIIALIGN試験の2.5年間の最終結果を公表しました1,2。本結果はThe Lancet誌に掲載され、欧州腎臓学会(ERA)で発表されました。

推算糸球体濾過量(eGFR)のベースラインからの変化はatrasentanでより良好であったほか、尿蛋白減少は投与完了時まで持続しました。また、腎機能を評価するさまざまな指標に加え、ナトリウム-グルコース共輸送体2SGLT2)阻害薬を背景治療として併用している患者でも、有効性は一貫して認められました1,2

Stanford University Medical CenterGlomerular Disease Centerの責任者兼同大学医学部腎臓内科教授で、ALIGN試験の治験責任医師兼Steering CommitteeのメンバーでもあるRichard Lafayette, MD, FACPは次のように述べています。「今回の結果は、2年以上にわたる治療期間において臨床的に意義のある腎機能低下の抑制を示す頑健なエビデンスであり、これまでの解析で示された尿蛋白減少の結果を裏付けるものです。また、IgA腎症に対する進化しつつある治療アプローチの中で、エンドセリンA受容体に高い選択性を有する拮抗薬の役割の重要性を示唆しています」。

主要な有効性の結果1,2

評価項目atrasentanプラセボプラセボとの比較による効果
【主な解析対象集団】
試験終了時(136週時点)*におけるeGFRのベースラインからの変化 -7.5 -9.9 2.4p=0.057
投与完了時(132週時点)におけるeGFRのベースラインからの変化-6.9-9.52.6p=0.039
年換算 eGFR total slope0-136週)-2.7 -4.1 1.4(約34%腎機能低下速度の抑制; p=0.003
9ヵ月(36週)時点における尿蛋白/クレアチニン比(UPCR)のベースラインからの変化-39.5%-1.9%

38.3%の相対減少

投与完了時(132週時点)におけるUPCRのベースラインからの変化-28.8% -0.6% 

28.4%の相対減少

SGLT2阻害薬を併用している集団】
試験終了時(136週時点)におけるeGFRのベースラインからの変化*-1.5 -10.69.1p=0.004

投与完了(132週時点)から4週間(追跡期間)後 
 UPCRは、36週時点では24時間蓄尿により評価し、132週時点では早朝第一尿により評価した
主な解析対象集団での試験終了時におけるeGFRのベースラインからの変化を除き、すべてのp値は名目上の値である。また、すべて両側p値である。ベースラインからのeGFR変化は mL/min/1.73 m²で示し、年換算 eGFR slope mL/min/1.73 m²/年で示す。

ノバルティスの循環器・腎臓・代謝デベロップメントユニットのグローバルヘッドであるRuchira Glaser, MD, MSは次のように述べています。「ALIGN試験の結果は、atrasentanIgA腎症における基盤治療となる可能性を補強するとともに、継続的なイノベーションを通じて長期的な腎保護の実現を目指す当社のコミットメントを示すものです。さらに、幅広いポートフォリオとあわせて、これらのデータは、この進行性疾患の管理におけるエビデンスに基づくアプローチに対する信頼を一層高めるものです」。

Atrasentanの安全性プロファイルはこれまでの試験結果と一致しており、有害事象はプラセボと同程度で、新たな安全性の懸念は認められませんでした1-4

Atrasentanは、2025年に成人IgA腎症患者における蛋白尿減少を適応として、米国および中国で迅速承認を取得しました5-6。ノバルティスは、今回のデータを用いて、2026年に通常承認申請を行う予定です。

IgA腎症について

IgA腎症は進行性の自己免疫性腎疾患であり、毎年、全世界で100万人あたり約25人が新たにIgA腎症と診断されています7,8IgA腎症は、腎臓の微小な濾過装置の炎症、尿中の過剰な蛋白、eGFRが徐々に低下することを引き起こすため、身体を激しく衰弱させます9。持続性蛋白尿を有する患者の最大50%が診断から1020年以内に腎不全に進行し、多くの場合、長期にわたる疾患管理の一環として透析や腎移植が必要となります8-13

さらに、IgA腎症の患者は、精神的・社会的な課題に直面することも少なくありません9-12。支持療法は疾患の根本原因に対応しておらず、多くの場合、疾患進行を抑制できていないため、IgA腎症に対する標的療法の必要性が高まっています10-15

ALIGN試験について1-4,15

ALIGN試験(NCT04573478)は、腎機能低下の進行リスクを有するIgA腎症患者を対象に、atrasentanとプラセボの有効性および安全性を比較する第III相、国際共同、多施設共同、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照試験です。レニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬による最適化された治療にもかかわらず、ベースラインの尿中総蛋白が1日あたり1g以上で、生検でIgA腎症と確定診断された患者340例が、約132週間にわたり、atrasentan0.75 mg)またはプラセボを11回経口投与するコホートにランダム化されました。同時に、患者は支持療法として、最大耐量かつ一定用量のRAS阻害薬の投与を継続しました。さらに、RAS阻害薬に加えてSGLT2阻害薬による治療を少なくとも12週間受けている患者64例も追加コホートとして組み入れられました。中間解析(270例)における主要評価項目は、36週時点における24時間畜尿によるUPCRで評価した尿蛋白のベースラインからの変化でした。最終解析における主な副次評価項目は、136週時点におけるeGFRで評価した腎機能のベースラインからの変化です。そのほかの副次有効性評価項目に加え、安全性および忍容性も評価しています。

Atrasentanについて

Atrasentanは、IgA腎症の進行に関与する主要な経路の一つであるエンドセリン系に作用する強力かつエンドセリンAETA)受容体に対して高い選択性を有する拮抗薬です3,16-18

Atrasentanは、原発性IgA腎症に対して承認された初めてかつ唯一の選択的ETA受容体拮抗薬であり、11回経口投与の治療薬です。また、用量調整を必要とせず、既存の支持療法(例:SGLT2阻害薬併用の有無を問わないRAS阻害薬)に追加または併用することが可能です5,6Atrasentanは、リスク評価・緩和戦略(REMS)プログラムの対象ではありません。エンドセリン受容体拮抗薬の中にはアミノトランスフェラーゼの上昇、肝毒性および肝不全を引き起こしたものがあるため、医師はatrasentanの投与開始前および臨床的に必要と判断される場合には投与期間中に肝酵素検査を実施する必要があります。また、atrasentanは重篤な先天異常を引き起こす可能性があります5

腎疾患におけるノバルティスの取り組み

ノバルティスは、腎移植から始まった40年以上の知見をもとに、アンメットニーズの高い腎疾患をはじめとして、腎臓の健康における飛躍的な進歩と変革を支援することを使命としています。Atrasentanに加えて、ファビハルタ®(イプタコパン)および開発中の化合物zigakibartを含む複数の開発候補品からなるIgA腎症ポートフォリオの開発を進めています。

これまで、これらの疾患はファンディングや研究が十分に行われず、治療の多くが対症的または末期の疾患管理に比重が置かれており、身体的、精神的、経済的にも負担の大きいものでした。ノバルティスのパイプラインは疾患の根本治療を標的とし、腎臓の健康を守り、透析や移植への移行を遅らせる、または防ぐことを目指しています。ノバルティスの目標は、患者さんが仕事や学校、大切な人たちと過ごす時間など、自分らしい生活を取り戻すことを支援することです。患者さん、支援団体、医師、政策立案者と連携することで、疾患に関する認知を向上し、早期診断を促進し、患者さんが早期に適切な治療が受けられるよう取り組んでいます。

日本ではIgA腎症に対して適応未承認

ノバルティスについて

ノバルティスは、革新的医薬品の研究、開発、製造、販売を行うグローバル製薬企業です。私たちは、患者さん、医療従事者の皆さん、そして社会とともに困難な病気に立ち向かい、より充実した健やかな毎日を実現する医薬の未来を描いています。ノバルティスの医薬品は、世界中で3億人以上の人々に届けられています。

ノバルティスとともに、医薬の未来を描きましょう。詳しくはhttps://www.novartis.comをご覧ください。また、LinkedInFacebookX/TwitterInstagramで私たちとつながってください。

以上

免責事項

本プレスリリースには、1995年の米国私募証券訴訟改革法に記載されている「将来予想に関する記述」が含まれています。将来見通し情報は、一般的に、「可能性がある」、「できる」、「するだろう」、「計画する」、「かもしれない」、「可能性がある」、「であろう」、「期待する」、「予想する」、「見込む」、「信じる」、「約束する」、「治験中の」、「パイプライン」、「上市」などの用語、または本プレスリリースに記載されている治験薬または既承認薬の潜在的な販売承認、新しい適応症または添付文書、あるいはこれらの薬からの潜在的な将来の収益に関する明示的または黙示的な説明により特定することができます。これらの記述に全面的に依拠すべきではありません。このような将来予測に関する記述は、将来の出来事に関する私たちの現在の信念および予想に基づいており、重大な既知および未知のリスクおよび不確実性を含んでいます。これらのリスクまたは不確実性のうち1つ以上が実際に発生した場合、または背景にある仮定が誤りであることが判明した場合、実際の結果は将来予測に関する記述に述べたものと大きく異なる可能性があります。本プレスリリースに記載された治験薬または承認薬が、いずれかの市場において、またはいずれかの時点で、販売申請または販売承認もしくは効能追加もしくは添付文書の承認を受けることを保証するものではありません。また、このような製品が将来商業的に成功することを保証するものでもありません。特に、このような製品に関する当社の期待は、とりわけ、臨床試験結果や既存の臨床データの追加解析を含む研究開発に固有の不確実性、規制措置または遅延もしくは政府の規制全般、政府、支払者および一般の公的な価格設定および償還の圧力並びに価格設定の透明性向上の要求を含む医療費抑制に向けた世界的な傾向、当社の専有的な知的財産権保護を取得または維持する当社の能力、医師および患者の特定の処方選好、パンデミック疾患の影響および緩和への取り組みを含む一般的な政治的、経済的および事業的状況、安全性、品質、データの完全性または製造上の問題、当社の情報技術システムの潜在的または実際のデータセキュリティおよびデータプライバシー侵害または混乱、並びにノバルティスファーマ株式会社が米国証券取引委員会にファイルしている最新のフォーム20-Fに記載されているその他のリスクおよび要因によって影響を受ける可能性があります。ノバルティスは、本日時点で本プレスリリースに記載されている情報を提供しており、新たな情報、将来の事象またはその他の結果として、本プレスリリースに記載されている将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。

参考文献

  1. Heerspink HJL, et al. Final 2.5‑year results from the Phase III ALIGN study in IgA nephropathy. Presented at the European Renal Association (ERA) Congress; June 2026; Glasgow, U.K.
  2. Heerspink HJL, Jardine MJ, Kohan DE, et al. Atrasentan in patients with IgA nephropathy: final 2.5‑year results from the randomised, double‑blind, placebo‑controlled phase 3 ALIGN trial. The Lancet. Published online June 4, 2026.
  3. Heerspink HJL, Jardine M, Kohan DE, et al. Atrasentan in patients with IgA nephropathy. New England Journal of Medicine. 2025; 392(6): 544–554.
  4. Heerspink HJL, Noronha IL, Gorriz J, et al. Efficacy and safety of atrasentan in patients with IgA nephropathy receiving sodium-glucose cotransporter 2 inhibitors: placebo-controlled, crossover trial. Journal of the American Society of Nephrology. 2026.
  5. Novartis Pharmaceuticals Corporation. Novartis receives FDA accelerated approval for Vanrafia® (atrasentan), the first and only selective endothelin A receptor antagonist for proteinuria reduction in primary IgA nephropathy (IgAN). Available at: https://www.novartis.com/news/media-releases/novartis-receives-fda-accelerated-approval-vanrafia-atrasentan-first-and-only-selective-endothelin-receptor-antagonist-proteinuria-reduction-primary-iga-nephropathy-igan. Accessed in May 2026.     
  6. Novartis China. Novartis innovative medicine Vanrafia® (atrasentan) approved in China for IgA nephropathy. Available at: https://www.novartis.com.cn/news/nuohuachuangxinyaowunuoruidayansuanaqushengtanpianigashenbingshiyingzhengzaizhongguohuopi. Accessed in May 2026.
  7. Rizk DV, Maillard N, Julian BA, et al. The emerging role of complement proteins as a target for therapy of IgA nephropathy. Frontiers in Immunology. 2019;10:504.
  8. Cheung CK, Barratt J. The rapidly changing treatment landscape of IgA nephropathy. Seminars in Nephrology. 2025;44(5):151573.
  9. Kwon CS, Daniele P, Forsythe A et al. A systematic literature review of the epidemiology, health-related quality of life impact, and economic burden of immunoglobulin a nephropathy. Journal of Health Economics and Outcomes Research. 2021;8(2):36–45.
  10. Pitcher D, Braddon F, Hendry B et al. Long-term outcomes in IgAN. Clinical Journal of the American Society of Nephrology. 2023;18:727–8.
  11. Mohd R, Mohammad Kazmin NE, Abdul Cader R, et al. Long-term outcome of immunoglobulin A (IgA) nephropathy: a single center experience. PLoS One. 2021;16(4):e0249592
  12. National Kidney Foundation. The voice of the patient. 2020. Available at: https://igan.org/wp-content/uploads/2021/01/VOP_IgAN_12-7-20__FNL.pdf. Accessed May 2026.
  13. Kidney Disease: Improving Global Outcomes (KDIGO) Glomerular Diseases Work Group. KDIGO 2021 clinical practice guideline for the management of glomerular diseases. Kidney International. 2021;100(suppl 1):S1–S276.
  14. Perkovic V, Barratt J, Rovin B, et al. Alternative complement pathway inhibition with iptacopan in IgA nephropathy. New England Journal of Medicine. 2025;392:531–543.
  15. ClinicalTrials.gov. NCT04573478. A phase 3 randomized study of atrasentan in patients with IgA nephropathy at risk of progressive loss of renal function. Available at https://clinicaltrials.gov/study/NCT04573478. Accessed May 2026.
  16. Barratt J, Kim SG, Inker LA et al. AFFINITY study: 1-year results of atrasentan in IgA nephropathy. Journal of the American Society of Nephrology. 2024;35(10 suppl):720. Abstract FR‑PO855.
  17. Heerspink HJL, Jardine M, Kohan DE et al. Study design and baseline characteristics of ALIGN, a randomized controlled study of atrasentan in patients with IgA nephropathy. Kidney International Reports. 2024;10:217–226.
  18. Kohan DE, Barratt J, Heerspink HJL et al. Targeting the endothelin A receptor in IgA nephropathy. Kidney International Reports. 2023;8:2198–2210.