Jun 19, 2026

プレスリリース

報道関係各位

ノバルティス ファーマ株式会社

ノバルティス ファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ジョンポール・プリシーノ、以下「ノバルティス ファーマ」)は、本日、「ラプシド®25mg」(一般名:レミブルチニブ、以下「ラプシド」)について、「特発性の慢性蕁麻疹」に対する製造販売承認を取得したことをお知らせします。

特発性の慢性蕁麻疹(Chronic Spontaneous UrticariaCSU)は、明らかな原因や特定可能な誘因がなく、自発的に膨疹(通常は痒みを伴う)が出現し、6週間以上持続する蕁麻疹を指します1。また、睡眠障害や精神疾患の併存が高頻度にみられるなど、患者さんの生活の質に重大な悪影響を及ぼし、仕事及び私生活における生産性低下などを招き、社会生活にも支障をきたすおそれも指摘されています2

薬物治療は主に第2世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬(H1AH)が選択されていますが、患者さんの半分以上は症状が残存することが報告されています2H1AHで効果不十分な患者さんに対する選択肢としては、生物学的製剤(オマリズマブ及びデュピルマブ)が承認されていますが、いずれも皮下投与であり、投与に伴う身体的負担が患者さんの日常生活に影響を与える場合があります。こうした中で、経口治療という新たな選択肢が加わることは、利便性が高く継続しやすい治療として、患者さんの生活の質(QOL)の向上に寄与することが期待されます。

このような背景のもと、ラプシドは経口投与が可能な低分子のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬として開発されました。IgE又はIgG自己抗体によりFcεRIの架橋が誘発されて生じるシグナル伝達を阻害することで、蕁麻疹を引き起こす肥満細胞及び好塩基球からのヒスタミンなどの炎症性メディエーターの遊離を抑制する作用があります3

この度の承認は、主に国際共同第Ⅲ相試験(A2301試験、REMIX-1)、外国第Ⅲ相試験(A2302試験、REMIX-2)、及び国内第Ⅲ相試験(A1301試験、BISCUIT)のデータに基づいています。第2世代H1AHで効果不十分なCSU患者を対象としたA2301試験及びA2302試験において、プラセボに対するラプシドの有効性が検証されました。また、A1301試験において日本人CSU患者におけるラプシドの長期安全性が確認されました。ラプシドの承認は、CSU治療において国内初となる経口BTK阻害薬として、H1AHで効果不十分なCSU患者さんにとって、アンメットニーズを満たす新たな治療アプローチとして期待されます。

今回の承認について、ノバルティス ファーマの代表取締役社長であるジョンポール・プリシーノは、次のように述べています。「特発性の慢性蕁麻疹は、強いかゆみだけでなく、仕事や家事、睡眠といった日常生活のあらゆる側面に長期的な影響を及ぼし、患者さんのQOLを著しく低下させる疾患です。ノバルティスは、免疫領域において、こうした患者さんの負担に着目し、科学に基づいた新たな治療アプローチの開発を通じて日常生活の中で継続しやすい治療の実現に取り組んできました。ラプシドは、国内初の経口BTK阻害薬として、当社の免疫領域における取り組みを前進させるものです。今回の承認は、特発性の慢性蕁麻疹の治療選択肢の拡大に向けた重要な一歩であり、患者さんのより良い日常の実現に資することが期待されます」。

国際共同第Ⅲ相試験(A2301試験)について4

本試験は、第2世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬(H1AH)で効果不十分な18歳以上の特発性の慢性蕁麻疹(CSU)患者470例(うち日本人27例)を対象とした、プラセボ対照、二重盲検比較試験です。被験者をラプシド群又はプラセボ群に21の比でランダム化しました。24週まで二重盲検下でラプシド25 mg又はプラセボを12回、第2世代H1AHに上乗せ投与しました。その後非盲検下で52週まですべての被験者にラプシド25 mg12回投与しました。主要評価項目である投与12週後の蕁麻疹活動性スコア(UAS7*のベースラインからの変化量(最小二乗平均)において、ラプシド群はプラセボ群に比べて統計学的に有意な減少が認められました(p0.001**)。変化量の群間差(ラプシド群プラセボ群)は−6.2295%信頼区間:−8.45−4.00)でした。さらに、投与後早期から効果が認められ、副次評価項目である投与2週目のUAS7≦6(疾患活動性のコントロール良好)の達成割合についても、ラプシド群はプラセボ群に比べて統計学的に有意に高い結果が示されました。安全性については、死亡の報告はなく、発現した有害事象の多くは軽度又は中等度でした。二重盲検投与期間において、いずれの群でも高度な有害事象は認められず、重篤な有害事象、投与中止又は休薬を要した有害事象の発現はいずれも少なく、発現割合は群間で概ね同程度でした。

*蕁麻疹活動性スコア(UAS77-day Urticaria Activity Score]:1週間のそう痒スコア(10-3)及び膨疹スコア(10-3)を累計したスコア
**:投与群、ベースライン時のUAS7、ランダム化層別因子(IgE抗体製剤の投与歴、地理的地域)ならびに投与群と週の交互作用及びベースライン時のUAS7と週の交互作用の両方を固定効果とする反復測定線形混合モデルを用いて解析

国内第Ⅲ相試験(A1301試験)について5

本試験は、第2世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬(H1AH)で効果不十分な18歳以上の日本人特発性の慢性蕁麻疹(CSU)患者71例を対象とした、多施設共同、非盲検、単群試験です。ラプシド25mg12回、第2世代H1AHに上乗せして52週投与しました。主要評価項目である安全性について、治験薬との関連ありの有害事象の発現割合は26.8%19/71例)でした。発現割合が2.0%以上の事象は、下痢、点状出血及び紫斑(いずれも4.2%)、並びに湿疹(2.8%)でした。有害事象全体の発現割合は87.3%62/71例)であり、発現割合が10.0%以上の事象はCOVID-1919.7%)及び頭痛(12.7%)でした。また、投与期間の52週を通じてラプシドの効果は持続し、良好な有効性の結果が得られました。

ラプシド(一般名:レミブルチニブ)について

ラプシドは、経口投与が可能な低分子のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬です。BTKは、肥満細胞や好塩基球などに発現し、高親和性IgE受容体(FcεRI)等を介した細胞内シグナル伝達に関与するタンパク質です。レミブルチニブはBTKに高い選択性を示し、IgE又はIgG自己抗体によるFcεRIの架橋によって誘発されるシグナル伝達を阻害することで、肥満細胞及び好塩基球の活性化を抑制し、蕁麻疹に関与するヒスタミンや炎症性メディエーターの遊離を抑制する作用があります。20259月には、米国において、ヒスタミンH1受容体拮抗薬(H1AH)による治療にもかかわらず症状が持続する成人の特発性の慢性蕁麻疹(CSU)に対し、経口BTK阻害薬として承認されました。日本では、「ラプシド®25mg」が20266月、「特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者に限る)」に対して製造販売承認を取得しました。

ノバルティス ファーマ株式会社について

ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置く革新的医薬品のグローバル製薬企業、ノバルティスの日本法人です。ノバルティス ファーマは、より充実した健やかな毎日のために、「ともに、医薬の未来を描く」を追求しています。
詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.co.jp
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以上

参考文献

  1. 秀道広,他. 日皮会誌. 2018;128(12):2503-2624.
  2. Maurer M, et al. Allergy. 2011;66(3):317-330.
  3. Mendes-Bastos P, et al. Allergy. 2022;77(8):2355-2366.
  4. Earla JR, Hutton GJ, Thornton JD, Chen H, Johnson ML, Aparasu RR. Patient Prefer Adherence. 2020;14:2187-2199. doi:10.2147/PPA.S270557.
  5. Giménez-Arnau AM, et al. J Allergy Clin Immunol. 2026;157(1):143-154.


<参考資料>
ラプシド®の製品概要

製品名: 
ラプシド®錠25mg(RHAPSIDO® tablets)

一般名:
レミブルチニブ

効能又は効果***
特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者に限る)

効能又は効果に関連する注意***
食物、物理的刺激等の蕁麻疹の症状を誘発する原因が特定されず、ヒスタミン H1 受容体拮抗薬の増量等の適切な治療を行っても、日常生活に支障をきたすほどの痒みを伴う膨疹が繰り返して継続的に認められる場合に本剤を追加して投与すること。

用法及び用量***
通常、成人にはレミブルチニブとして1回25mgを1日2回経口投与する。

承認取得日:
2026年6月19日

製造販売:
ノバルティス ファーマ株式会社

***「効能又は効果」、「効能又は効果に関連する注意」、「用法及び用量」の詳細については、電子化された添付文書(電子添文)をご覧下さい。