Jun 09, 2021

プレスリリース

報道関係各位

​この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2021 年5 月28 日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・要約したもので、報道関係者の皆様に対する参考資料として提供するものです。本剤の日本国内で承認されている用法及び用量と異なる内容が含まれます。資料の内容および解釈については英語が優先されます。英語版はhttps://www.novartis.com をご参照ください。

  • 導入期後の4週間隔投与を評価したMERLIN試験において、「ベオビュ®」(一般名:ブロルシズマブ)は、アフリベルセプトと比較し、主要評価項目である最高矯正視力のベースラインからの変化量において非劣性、また、特定の解剖学的副次評価項目について優越性を示した1
  • 導入期後の4週間隔の投与を評価した本試験では、網膜血管炎を含む眼内炎症および網膜血管閉塞の発現率がアフリベルセプトと比較して高い結果となった。
  • 患者の安全の確保は最優先事項であり、ノバルティスはこの結果を受け、MERLIN試験を中止するとの決定に至った。
  • ノバルティスは、網膜静脈閉塞症に対するブロルシズマブの有効性および安全性を評価したRAPTORおよびRAVEN試験(導入期の6ヵ月間は4週間隔投与)についても中止することを決定した。
  • ノバルティスはこれらの情報を各国の保健当局に報告し、「ベオビュ®」による導入期治療を終えた後の維持期における4週間隔投与に関する添付文書情報の記載の改訂を進める予定である。
  • 導入期後、維持期において8~12週の間隔で使用する場合においては、「ベオビュ®」はこれまで同様、適切な滲出型加齢黄斑変性患者にとって、重要かつ有効な治療選択肢である2,3


2021年5月28日、スイス・バーゼル発–ノバルティスは、導入期後4週間隔投与の「ベオビュ®」(一般名:ブロルシズマブ、以下「ベオビュ」)6mg投与群とアフリベルセプト2mg投与群の有効性および安全性を比較評価した第III相MERLIN試験の1年目の結果を報告しました。MERLIN試験は抗VEGF薬による治療後も網膜内の滲出液が持続する滲出型加齢黄斑変性(AMD)患者を対象に2年間の試験として2018年下期に開始されたものです。

本試験において「ベオビュ」6mg投与群はアフリベルセプト2mg投与群に比較して、主要評価項目であるベースラインからの最高矯正視力の変化において非劣性、および特定の解剖学的副次評価項目においては優越性を示しました1。しかし、MERLIN試験での4週間隔投与では、網膜血管炎(RV)を含む眼内炎症(IOI)および網膜血管閉塞(RO)の発現頻度は、「ベオビュ」6mg投与群のほうがアフリベルセプト2mg投与群と比較して高い結果となりました(IOI:9.3%対4.5%、RV:0.8%対0.0%、RO:2.0%対0.0%)1。すべての要因による視力低下(15文字以上)率は、「ベオビュ」6mg投与群で4.8%、アフリベルセプト2mg投与群で1.7%となりました1

ノバルティスのグローバル医薬品開発責任者でありチーフメディカルオフィサーであるジョン・ツァイ(John Tsai, MD)は、以下の通り述べました。「滲出型加齢黄斑変性およびその他の網膜疾患を有する患者さんにとって、より長い投与間隔は有益であることが考えられますが、一部の患者さんでは、持続的に滞留する滲出液に対処するため、毎月投与が必要となることがあります。これらの患者さんに対して、『ベオビュ』がどのように貢献できるかを検証するため、MERLIN試験をはじめとする臨床試験を開始しました。この度得られた結果から、私たちは、今後、複数の臨床試験を進めるうえでの情報を得ることができ、患者さんが、いかにこの医薬品からベネフィットを得られるかを的確に判断できるようになったと考えています」

ノバルティスは、進行中のブロルシズマブ臨床試験プログラムのうち、導入期後に4週間隔で投与する試験についての評価を実施しました。その結果、患者の安全の確保を最優先し、ノバルティスはMERLIN試験、および導入期に4週ごとに1回、連続6回投与する網膜静脈閉塞症に対する有効性と安全性を評価するRAPTORおよびRAVEN試験を終了するとの決定に至りました。その他の関連する進行中の治験実施計画書はすべて、導入期後の4週間隔投与を中止するよう変更される予定です。本件はすでに、それら治験の責任医師に通知されており、患者は治験責任医師から適切にフォローアップされます。医師は、滲出型加齢黄斑変性の治療においては、最初の3回の投与後は8週未満の間隔で「ベオビュ」6mgを投与するべきではありません。

ノバルティスはこれらの情報を各国の保健当局に報告し、「ベオビュ」による導入期治療を終えた後の維持期4週間隔投与に関する添付文書情報の記載の改訂を進める予定です。

導入期後8~12週の間隔で使用する場合においては、「ベオビュ」はこれまで同様、適切な滲出型加齢黄斑変性患者にとって、重要かつ有効な治療選択肢です2,3。ノバルティスは、「ベオビュ」に関する適切な情報提供を通じて、網膜疾患に関連するコミュニティへの支援に尽力し続けてまいります。なお、「ベオビュ」は眼感染症、眼周囲感染症、活動性眼内炎症、又は本剤に対する既知の過敏症を有する患者への投与は禁忌です4

現在、MERLIN試験の臨床データのさらなる解析が進行中であり、詳細なデータは今後の関連学会で発表される予定です。ノバルティスは、眼科領域において、高いアンメットニーズが存在する眼疾患の患者やそのリスクのある患者に革新的な治療薬をお届けするための活動に今後も注力してまいります。

滲出型加齢黄斑変性について

滲出型加齢黄斑変性は、北米、欧州、オーストラリアおよびアジアの65歳以上の人々における重度の視力低下の主な原因です。全世界で約2,000万人が罹患していると推定されています5-7。滲出型加齢黄斑変性は、網膜の中で鮮明な中心視力を担う部位である黄斑の下に、異常な血管が形成されて生じます8-10。このような血管は脆弱で、血液成分が漏出することで、正常な網膜構造を乱し、最終的に黄斑に損傷を引き起こします8-10

滲出型加齢黄斑変性の初期には変視症(視覚の歪み)が生じたり、ものを明確に見ることが難しくなるという症状があります11。病気が進行するにつれて、細胞の損傷が増加し、視力の質がさらに低下します12。このような進行によって中心視力が完全に消失し、患者はものを読んだり、運転したり、身近な人の顔を認識することができなくなります12,13。無治療のままでは視力は急速に悪化します14

「ベオビュ」(一般名:ブロルシズマブ)について

「ベオビュ」(RTH258 もしくはブロルシズマブ)は、滲出型加齢黄斑変性(AMD)の治療薬として米国、EU、英国、日本、カナダ、オーストラリアを含む60 ヵ国以上で承認されています4, 15-18。さらに現在、滲出型加齢黄斑変性(wetAMD)、糖尿病黄斑浮腫(DME)、増殖性糖尿病網膜症(PDR)の患者を対象に有効性を検討する試験が進行中です。現在、日本国内においては「ベオビュ」はブロルシズマブ(遺伝子組換え)として6mg(0.05mL)を4 週ごとに1 回、連続3 回(導入期)硝子体内投与します。その後の維持期においては、通常、12 週ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、8 週以上あけることとされています。

眼科領域におけるノバルティスの活動について

ノバルティスのミッションは、より充実した、すこやかな毎日のために、新しい発想で医療に貢献することです。眼科領域では、データや変革技術を駆使して、前眼部から後眼部にわたって人生を変えるような薬や治療法を開発してまいります。当社の眼科用剤は、未熟児から高齢者まで、年間1億5千万人以上の人に届けられています。

免責事項

本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-F をご参照ください。

ノバルティスについて

ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と医療の未来を描いています。私たちは、医薬品のグローバルリーディングカンパニーとして、革新的な科学とデジタルテクノロジーを駆使し、医療ニーズの高い領域で変革をもたらす治療法の開発を行っており、新薬開発のために、常に世界トップクラスの研究開発費を投資しています。ノバルティスの製品は、世界中の8 億人以上の患者さんに届けられています。また、私たちは、ノバルティスの最新の治療法に多くの人がアクセスできるように革新的な方法を追求しています。約11 万人の社員が世界中のノバルティスで働いており、その国籍は約140 カ国におよびます。詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.com

以上

参考文献

  1. Data on file. MERLIN First interpretable results. Novartis; 2021.
  2. Dugel PU, Koh A, Ogura Y, et al. HAWK and HARRIER: Phase 3, Multicenter, Randomized, Double-Masked Trials of Brolucizumab for Neovascular Age-Related Macular Degeneration. Ophthalmology.2020;127(1):72-84.
  3. Dugel PU, Singh RP, Koh A, et al. HAWK and HARRIER: Ninety-Six-Week Outcomes from the Phase 3Trials of Brolucizumab for Neovascular Age-Related Macular Degeneration. Ophthalmology.2021;128(1):89-99.
  4. Beovu [US prescribing information] East Hanover, NJ. Novartis: 2020.
  5. Wong WL, Su X, Li X, et al. Global prevalence of age-related macular degeneration and disease burden
    projection for 2020 and 2040: a systematic review and met analysis. Lancet Glob Health. 2014;2:106-16.
  6. Singer M. Advances in the management of macular degeneration. F1000Prime Rep. 2014;6:29.
  7. Schmidt-Erfurth U, et al. Guidelines for the management of neovascular age-related macular degeneration by the European Society of Retina Specialists (EURETINA). Br J Ophthalmol. 2014;98:1144-1167.
  8. National Eye Institute. Age-Related Macular Degeneration. Available at http​s://w​ww.nei.nih.gov/learn-abouteye-health/eye-conditions-and-diseases/age-related-macular-degeneration. Accessed May 2021.
  9. World Health Organization. Priority eye diseases: Age-related macular degeneration. Available at ht​tp:/​/ww​w​.who​.int/blindness/causes/priority/en/index7.html. Accessed May 2020.
  10. NHS Choices. Macular Degeneration. Available at htt​p://www​.nhs.uk/Conditions/Maculardegeneration/Pages/Introduction.aspx. Accessed May 2021.
  11. Healthline. What is metamorphopsia? Available at https://www.healthline.com/health/metamorphopsia.Accessed May 2021.
  12. NHS Choices. Macular degeneration - Symptoms. Available at htt​p://www​.nhs.uk/Conditions/Maculardegeneration/Pages/Symptoms.aspx. Accessed May 2021.
  13. Mitchell J, Bradley C. Quality of life in age-related macular degeneration: a review of the literature. Health Qual Life Outcomes. 2006;4:97.
  14. van Lookeren Campagne M, et al. Mechanisms of age-related macular degeneration and therapeutic opportunities. J Pathol. 2014; 232(2):151-64.
  15. Beovu [summary of product characteristics] Basel, Switzerland. Novartis: 2020.
  16. Pharma Japan. National Health Insurance Pricing. Available at http​s://pj.jiho.jp/sites/default/files/pj/document/2020/05/New%20Drugs%20to%20Be%20Added%20to%20NHI%20Price%20List%20on%20May%2020_1.pdf.Accessed May 2021.
  17. Canadian Agency for Drugs and Technologies in Health. CADTH Canadian Drug Expert Committee Recommendation. Available at htt​ps://cadth.ca/sites/default/files/cdr/complete/SR0632%20Beovu%20%20CDEC%20Final%20Recommendation%20%E2%80%93%20May%2025%2C%202020_for%20posting.pdf. Accessed May 2021.
  18. Beovu [prescription medicine decision summary] Australia. Novartis: 2020.