Jun 08, 2021

プレスリリース

報道関係各位

​この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2021年6 月4日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・要約したもので、報道関係者の皆様に対する参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。英語版はhttps://www.novartis.comをご参照ください。

  • 「タブレクタ®」(カプマチニブ)は、今回初めて公表するデータ1,2において、全 生存期間(OS)の中央値が未治療患者で20.8ヵ月、既治療患者で13.6ヵ月であることを示した 
  • 新たな拡大コホートの解析では、追加された患者において「タブレクタ®」は一次 治療で65.6%、二次治療で51.6%の奏効率(ORR)を達成1, 2 
  • 生活の質に関連する症状の患者報告アウトカムも発表3 
  • 「タブレクタ®」は、MET遺伝子エクソン14スキッピング(METex14)変異を有する転移性非小細胞肺がん(NSCLC)を特異的に標的とし、FDAにより承認された初の治療薬


2021 年6月4日、スイス・バーゼル発-ノバルティスは本日、MET 遺伝子エクソン14 スキッピング(以下、METex14)変異を有する転移性非小細胞肺がん(以下、NSCLC)に対して「タブレクタ®」(一般名:カプマチニブ、以下「タブレクタ」)による治療を受けた成人患者における奏効率(ORR)の最新データと、今回初めて公表された全生存期間(OS)データを発表しました1-3。現在進行中の主要なマルチコホート第II相GEOMETRY mono -1試験のデータは、2021年米国臨床腫瘍学会(ASCO)バーチャル科学会議(ポスターディスカッションセッションLung Cancer—Non-Small Cell Metastatic;2021 年 6 月 4日、9:00 AM-10:00 AM CT:抄録9020)で発表される予定です。

GEOMETRY試験の治験責任医師であるケルン大学病院総合腫瘍センターのJuergen Wolf 医学博士は「今回の新たな解析は、『タブレクタ』がMETex14変異を有する NSCLC患者さんに対する分子標的治療の基本的治療薬として位置付けられること、 またバイオマーカー検査の重要性を示しています」と述べ、「優れた全生存期間成績と一次治療において確認された素晴らしい奏効率は、腫瘍医が患者さんの治療を決めるのに役立つでしょう」と続けました。

本解析には、未治療患者(一次治療)を対象とした拡大コホート7と既治療患者 (二次治療以降)を対象とした拡大コホート6から得られた新たなデータと、既報のコホートから得られた計160例のデータが含まれます1, 2

ノバルティスオンコロジー、シニアバイスプレジデント兼オンコロジー医薬品開発部門の責任者であるJeff Legosは「1年前の『タブレクタ』上市により、METex 14 変異を有する NSCLC患者さんの治療環境は劇的に変わりました。今回、METex 14 変異を有するNSCLC患者さんに対する主要な治療薬4である『タブレクタ』が患者さんの長期生存に寄与する可能性について追加のエビデンスを得ることができました」と述べました。

今回の発表では、METex14変異を有する未治療および既治療の転移性NSCLC患者に対する、「タブレクタ」の有効性に関する追加データを示しました2

RECIST v 1.1 による盲検下独立評価委員会(BIRC)評価に基づく奏効率(ORR):

  • 未治療例では67.9%(95%信頼区間:47.6, 84.1)および65.6%(95%信頼区間:46.8, 81.4)(コホート5 b;28例およびコホート7;32例)
  • 既治療例では40.6%(95%信頼区間:28.9, 53.1)および51.6%(95%信頼区間:33.1, 69.8)(コホート4;69例およびコホート6;31例)


BIRC判定に基づく奏効期間(DOR)の中央値 : 

  • 未治療例では12.6ヵ月(95%信頼区間:5.6推定不能)及びNE(95%信頼区 間:5.5-推定不能)(コホート5 b;28例およびコホート7;32例) 
  • 既治療例では9.7ヵ月(95% 信頼区間:5.6 -13.0)及び8.4ヵ月(95% 信頼区 間:4.2推定不能)(コホート4;69例およびコホート6;31例)


全生存期間(OS): 

  • 未治療例では20.8ヵ月(95%信頼区間:12.42, 推定不能)(コホート5 b;28 例) 
  • 既治療例では13.6ヵ月(95%信頼区間:8.61, 22.24)(コホート4;69例)
  • 拡大コホート6および7のOS中央値は未到達


新たな安全性上の懸念や予期しない安全性所見は認められませんでした。被験者の 98%にグレードを問わず1件以上の有害事象が発現し、 50.9%では1件以上の重篤な有害事象(SAE)が発現しました。そのうち13%は治療との関連性が疑われました。全コホートを通じて発現頻度が高かった有害事象(20%超、全グレード)は、末梢性浮腫、悪心、嘔吐、血中クレアチニン増加、呼吸困難、疲労および食欲減退でした。主な有害事象はグレード3または4でした2

現在、肺がんの5年生存率は20%未満5であり、病期が進行すると生存率はさらに低下します6。転移性NSCLC患者の3人に1人が治療可能な変異7, 8を有すると考えられています。METex 14変異は、転移性NSCLC症例の3%から4%に認められると報告されています9。METex 14変異を有する患者の多くは、疾患が後期の段階に進行して初めて NSCLCと診断され、予後が不良です10, 11

患者報告アウトカム(PRO)についての解析では、 METex 14変異(抄録9056)3 を有するNSCLC患者を対象として、咳嗽、肺症状発現までの時間の延長および生活の質(QoL)が評価されました。

  • 全般的健康状態(GHS)の悪化が見られるまでの期間の中央値(TTDD)は一次治療および二次治療以降の患者それぞれにおいて、16.6ヵ月(95% 信頼区 間:9.7, 推定不能)および12.4ヵ月(95%信頼区間:4.2, 19.4)でした。 
  • 咳嗽および胸痛のTTDDの中央値は一次治療および二次治療以降の患者のいず れも推定不能であり、呼吸困難のTTDDの中央値はそれぞれ19.4ヵ月(95%信頼区間:12.4, 推定不能)および22.1ヵ月(95%信頼区間:9.9, 推定不能)でした。 
  • 探索的調査として行われた、BIRC判定によるQLQ-LC13症状(せき、胸痛、呼吸困難)の事後解析では、臨床的完全奏効(CR)または部分奏効に達した患者では全サイクルで改善しましたが、臨床的奏効が得られなかった患者では症状の悪化が認められました。


さらに、 GEOMETRY mono -1試験のレトロスペクティブ解析により、「タブレク タ」 (ポスターディスカッションセッション: Lung Cancer—Non-Small Cell Metastatic;抄録 9111)治療で METex 14変異陽性患者を同定するためのリキッドバイオプシーの臨床的有用性が確認されました12

ASCO21バーチャル科学プログラムデータプレゼンテーション(登録者向け)やオンコロジー領域への取り組みを含むノバルティスの最新情報はこちらからご確認ください。[http​s:/​/www​.hcp.novartis​com/virtual-congress/a-2021/]

GEOMETRY mono -1試験について

GEOMETRY mono -1試験は、 EGFR野生型およびALK融合遺伝子陰性の METex14変異を有する転移性NSCLCを対象とした第II相、多施設共同、非無作為化、非盲検、マルチコホート試験です。対象の患者は、カプマチニブ錠400mgを1 日2回経口投与しています。患者は、 METの状態および前治療歴に基づいてコホートに割り付けられました13。主要評価項目は、BIRC判定によるRECIST v 1.1に準拠した奏効率(ORR)です。主な副次評価項目は、BIRC判定による奏効期間(DOR)です。

「タブレクタ®」(カプマチニブ)について

「タブレクタ®」(カプマチニブ)はMETを標的とするキナーゼ阻害剤です。 「タブレクタ」はIncyte社が開発し、ノバルティスは、2009年にIncyte社からカプマチニブに関するライセンスを取得しました。この契約により、ノバルティスはIncyte 社よりあらゆる適応症に対するカプマチニブおよび特定のバックアップ化合物を、全世界的かつ独占的に開発および商業化する権利を取得しました。 「タブレクタ」は、2020年5月に米国で、FDAが承認する検査法で検出された METex14変異を有する転移性NSCLCの成人患者に対する適応を米国食品医薬品局 (FDA)より承認を取得しています。この適応症は奏効率および奏効期間に基づく迅速承認のもとで承認されました。なお、本邦においては2020年6月に製造販売が承認されています。また2021年2月に香港、2021年4月にスイスで製造販売承認がされています。

肺がんに対するノバルティスのコミットメント

世界的に肺がんによる死亡者数は、結腸がん、乳がん、前立腺がんを合わせた数よりも多いとされており、毎年200万人以上の人々が新たに肺がんの診断を受けています14。肺がんには主に小細胞肺癌(SCLC)と非小細胞肺癌(NSCLC)の二種類があります15, 16。NSCLCは肺がん診断の約85%を占め、毎年200万例近くが新たに診断されています14, 16。毎年肺がんで死亡する患者数は、他のどのがん種よりも多くなっています14。現在の標準治療中にがんの増殖または進行を経験した肺がん患者に対する治療選択肢は限られています17 -19

ノバルティスは、世界中の肺がん患者のために、ベスト・イン・クラスの治療薬を開発することに全力で取り組んでおり、標的化個別化医療と新規コア免疫腫瘍療法の役割の両方に焦点を当てたノバルティスの肺がん薬物開発プログラムは、業界をリードするものの一つです。ノバルティスは、肺がん患者とオピニオンリーダーおよび患者支援者との長期的な関係から情報を入手し研究に取り組んでいます。多様な関係者との協力関係を通じて、ノバルティスは肺がん治療の未来を描きます。

適応症について

「タブレクタ錠®」(カプマチニブ)は、非小細胞肺がん(NSCLC)と呼ばれる肺がんの一種で、転移しているか、または手術で切除できず(転移性)、かつ腫瘍に異常な間葉上皮移行(MET)遺伝子が認められる成人の治療に使用される処方薬です。 これらの患者における「タブレクタ」の有効性は、治療に対する2種類の反応を測定した試験(奏効率および奏効期間)に基づいています。「タブレクタ」が長期間にわたってどのように作用するかを明らかにするための試験は継続中です。小児における「タブレクタ」の安全性および有効性は確立していません。

免責事項

本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けております Form20-F をご参照ください。

ノバルティスについて 

ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と医療の未来を描いています。私たちは、医薬品のグローバルリーディングカンパニーとして、革新的な科学とデジタルテクノロジーを駆使し、医療ニーズの高い領域で変革をもたらす治療法の開発を行っており、新薬開発のために、常に世界トップクラスの研究開発費を投資しています。ノバルティスの製品は、世界中の8億人以上の患者に届けられています。また、私たちは、ノバルティスの最新の治療法に多くの人がアクセスできるように革新的な方法を追求しています。約11万人の社員が世界中のノバルティスで働いており、その国籍は145カ国におよびます。詳細はホームページをご覧ください。 https://www.novartis.com 

以上

参考文献

  1. ClinicalTrials.gov. A Study of Capmatinib (INC280) in NSCLC Patients With MET Exon 14 Alterations Who Have Received Prior MET Inhibitor. (2016). Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02750215. Accessed March 2021.
  2. Wolf, J. et.al. Capmatinib in MET exon 14-mutated, advanced NSCLC: updated results from the GEOMETRY mono-1 study. Abstract #9020. 2021 American Society of Clinical Oncology (ASCO) Annual Meeting, June 4-8, Chicago, IL.
  3. Wolf, J. et.al. Patient-reported outcomes in capmatinib-treated patients with METex14- mutated advanced NSCLC: Results from the phase II GEOMETRY mono-1 study. Abstract #9056. 2021 American Society of Clinical Oncology (ASCO) Annual Meeting, June 4-8, Chicago, IL.
  4. IQVIA. Weekly / Daily Module Views- Rx Weekly (NPA). Accessed April 5, 2021.
  5. Siegel R, Miller K, Jemal A. Cancer statistics, 2020. CA Cancer J Clin. 2020;70(1):7-30.
  6. Rami-Porta R, Asamura H, Traves W, et al. Lung cancer – major changes in the American Joint Committee on Cancer eight edition cancer staging manual. CA Cancer J Clin. 2017;67:138.
  7. Tsang ES, et al. Clinical outcomes after whole-genome sequencing in patients with metastatic non-small cell lung cancer. Cold Spring Harb Mol Case Stud. 2019.5:a002659.
  8. Shea M, et. al. Management of advanced non-small cell lung cancers with known mutations or rearrangements: latest evidence and treatment approaches. Therapeutic Advances in Respiratory Disease. 2016;10(2) 113–129.
  9. Salgia R. MET in lung cancer: biomarker selection based on scientific rationale. Molecular Cancer Therapeutics. 2017;16(4):555-565.
  10. Cappuzzo F, Marchetti A, Rossi E. Increased MET gene copy number negatively affects survival of surgically resected non-small-cell lung cancer patients. J Clin Oncol. 2009;27:1667-1674.
  11. Tong JH, Yeung SF, Chan Al. MET amplification and exon 14 splice site mutation define unique molecular subgroups of on-small cell lung carcinoma with poor prognosis. Clin Cancer Res. 2016;22:3048-3056.
  12. Heist, RS, et.al. Capmatinib efficacy in patients with NSCLC identified as METex14 using an NGS based liquid biopsy assay: results from the GEOMETRY mono-1 study. Abstract #9111. 2021 American Society of Clinical Oncology (ASCO) Annual Meeting, June 4-8, Chicago, IL.
  13. Juergen Wolf, M.D., et al. Capmatinib in METex14-Mutated or MET-Amplified Advanced NSCLC. New England Journal of Medicine. 2020.
  14. World Health Organization. Cancer. Available at: https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/cancer. Accessed on February 9, 2021.
  15. Lemjabbar-Alaoui H, Hassan O, Yang UW, et al. Lung cancer: biology and treatment options. Biochim Biophys Acta. 2015. 1856(2):189-210.
  16. American Cancer Society. About Lung Cancer. Available at http​s:/​/www​.cancer.org/cancer/non-small-cell-lung cancer/about/what-is-non-small-cell-lung-cancer.html. Accessed February 9, 2021.
  17. National Comprehensive Cancer Network Guidelines. Non-small cell lung cancer. Version 4. 2021.
  18. Sandler A, Gray R, Perry M, et al. Paclitaxel-carboplatin alone or with bevacizumab for non-small cell lung cancer. New Engl J Med. 2006; 355: 2452-2550. 
  19. Gadgeel S, Rodriguez-Abreu D, Speranza G, et al. Updated analysis from KEYNOTE-189: pembrolizumab or placebo plus pemetrexed and platinum for previously untreated metastatic nonsquamous non-small cell lung cancer. J Clin Oncol. 2020; 38:1505-1517.


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