Sep 14, 2020

プレスリリース

報道関係各位

ノバルティス ファーマ株式会社

​ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:綱場 一成)は、本日、二次性進行型多発性硬化症(以下、SPMS)に対して有効性を証明した初めての1日1回経口投与の多発性硬化症治療薬「メーゼント®錠0.25mg、2mg」(一般名:シポニモドフマル酸、以下「メーゼント」)を新発売いたしました。また、発売と同時に「メーゼント®錠投与のためのCYP2C9検査結果無償提供プログラム」を開始いたしました。

「メーゼント」は、S1P1およびS1P5受容体に選択的に結合するS1P受容体調整薬です。 S1P1受容体に作用することにより、リンパ球がリンパ節から移出することを防ぎ、その結果、それらのリンパ球が多発性硬化症患者の中枢神経系(以下、CNS)に移行することを防ぎます1。これにより、「メーゼント」の抗炎症作用が発揮されます2。また、「メーゼント」はCNS内に移行し3,4,5、CNS内の特定の細胞であるオリゴデンドロサイト上のS1P5受容体およびアストロサイト上のS1P1受容体と結合し、ミエリン再形成の促進作用と神経保護作用が非臨床試験で示唆されています6,7,8

また、「メーゼント」は、遺伝子多型のあるCYP2C9で主に代謝されます。よって、CYP2C9遺伝子型の違いにより患者への暴露量に違いが生じることが想定されていることから、本剤では、治療開始前にCYP2C9遺伝子型を確認する検査を行うことが必須となっており、CYP2C9の遺伝子型に応じて、本剤の漸増投与後の維持用量を患者さんごとに調整することとなっています。

「メーゼント」の投与を目的としたCYP2C9遺伝子型を判定するための体外診断用医薬品「eQ-PCRTM LC CYP2C9*2, *3ジェノタイプキット」(以下、本キット)について、パシフィックブリッジメディカル株式会社が2020年8月31日に承認を取得しました。しかしながら、現時点で本キットを使用した検査は、保険適用となっていないことから、必要な検査を受けられず、「メーゼント」による治療機会を失う患者さんの存在が懸念されます。

そこで、本キットによる検査が保険適用となるまでの間、患者さんが本キットによる検査を受けられるよう、弊社は「メーゼント®錠投与のためのCYP2C9検査結果無償提供プログラム」を実施することといたしました。

今回の新発売に際し、ノバルティス ファーマ株式会社 代表取締役社長 綱場 一成 は、次のように述べています。「『メーゼント』を新発売できたことを嬉しく思います。進行型多発性硬化症に移行したとしても、『メーゼント』により疾患進行を抑制できる可能性があります。患者さんには、人生のライフイベントを、より希望を持って迎えていただければと思います。しかし、患者さんの持つCYP2C9遺伝子型により、『メーゼント』の血中濃度が変動することが見込まれます。投与前にCYP2C9遺伝子型を調べることにより、患者さんごとに『メーゼント』の安全かつ最適な投与量を決めることが出来ます。今回の無償提供プログラムにより、多くの患者さんが安心して『メーゼント』の治療を受けられる機会をいち早く提供できることを嬉しく思います。この度の承認を通じ『医薬の未来を描く』という弊社のミッションを少しでも果たせることを願っています。」

多発性硬化症に対するノバルティスの取組みについて

日本において「ジレニア®」(一般名:フィンゴリモド塩酸塩、以下「ジレニア」)は「多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制」を効能又は効果として発売しております。この度、SPMSに対して有効性を証明した初めての1日1回経口の多発性硬化症治療薬「メーゼント」を新発売いたしました。また、CD20陽性B細胞を標的とする完全ヒトモノクローナル抗体(mAb)であるオファツムマブ(OMB157)を日本において多発性硬化症(以下、MS)に対する治療薬として開発中です。

欧州において「メーゼント」は、2020年1月に、疾患活動性(再発や画像上での炎症性疾患活動所見)を有するSPMSに対する成人患者の治療薬として承認されています。また米国で「メーゼント」は、clinically isolated syndrome(CIS)*、再発寛解型MS(以下、RRMS)、疾患活動性を有するSPMSを含む再発型MSの成人患者に対する治療薬として、2019年3月に米国食品医薬品局(FDA)から承認を取得しています。

EUにおけるMS治療薬のポートフォリオには、「メーゼント」に加えて、成人、10歳以上の小児のRRMSに対して適応を有する「ジレニア」があります。また、オファツムマブはEUにおいて承認申請中です。米国では、「ジレニア」は、成人および 10歳以上の小児患者に対して、CIS、RRMSおよび疾患活動性を有するSPMSを含む再発型MSを適応として承認されています。なお、米国においてオファツムマブは、2020年8月20日にFDAより承認されました。

*Clinically isolated syndrome(CIS)は、24時間以上継続する神経症状の初回エピソードと定義され、中枢神経系の炎症または脱髄が原因です。

ノバルティス ファーマ株式会社について

ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置く医薬品のグローバルリーディングカンパニー、ノバルティスの日本法人です。ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と医療の未来を描いています。ノバルティスは世界で約11万人の社員を擁しており、8億人以上の患者さんに製品が届けられています。ノバルティスに関する詳細はホームページをご覧ください。 https://www.novartis.co.jp

以上

参考文献

  1. Kappos L, Cree B, Fox R, et al. Siponimod versus placebo in secondary progressive multiple sclerosis (EXPAND): a double-blind, randomized, phase 3 study. Lancet. Published online March 22, 2018. htt​p://dx.do​i.org/10.101​6/S0140-6​736(18)3047​5-6.
  2. Gergely P, Nuesslein-Hildesheim B, Guerini D, et al. The selective sphingosine 1-phosphate receptor modulator BAF312 redirects lymphocyte distribution and has species-specific effects on heart rate. Brit J Pharm. 2012; 167:1035-47.
  3. Tavares A, Barret O, Alagille D, et al. Brain distribution of MS565, an imaging analogue of siponimod (BAF312), in non-human primates. Eur J Neurol. 2014;21(Suppl 1):504-PP2067.
  4. Briard E, Rudolph B, Desrayuad S, et al. MS565: A SPECT tracer of evaluating the brain penetration of BAF312 (siponimod). Chem Med Chem. 2015; 10(6):1008-18.
  5. Bigaud M, Perdoux J, Ramseier P et al. Pharmacokinetic/Pharmacodynamic Characterization of Siponimod (BAF312) in Blood versus Brain in Experimental Autoimmune Encephalomyelitis Mice. Neurology. 2019;P2.2 066.
  6. Mannioui A, Vauzanges Q, Fini JB, et al. The Xenopus tadpole: An in vivo model to screen drugs favoring remyelination. Mult Scler. 2018:24(11):1421-32.
  7. Martin E, Urban B, Beerli C, et al. Siponimod (BAF312) is a potent promyelinating agent: preclinical mechanistic observation. P1376. 35th Congress of the European Committee for Treatment and Research in Multiple Sclerosis, September 2019.
  8. Dietrich M, Hecker C, Ramseier P, et al. Neuroprotective potential for siponimod (BAF312) revealed by visual system readouts in a model of experimental autoimmune encephalomyelitis-optic neuritis (EAEON). P844. 35th Congress of the European Committee for Treatment and Research in Multiple Sclerosis, September 2019.