Jun 22, 2020

プレスリリース

報道関係各位

​この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2020 年5 月29 日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・要約したもので、報道関係者の皆様に対する参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。英語版はhttps://www.novartis.com をご参照ください。

  • BRAF 遺伝子変異を有する進行性の悪性黒色腫に対し「タフィンラー」「メキニスト」併用療法を受けた患者の過半数が5 年間の無再発生存を達成1
  • 外科的な腫瘍切除後に分子標的治療を受けたBRAF 遺伝子変異陽性の悪性黒色腫患者における、過去最大のデータセットと最長期間の追跡調査からの結果2
  • COMBI-AD 試験の5 年間の追跡調査からデータを収集、2020 年米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表1


2020 年5 月29 日、スイス・バーゼル発-ノバルティスはCOMBI-AD 試験のランドマーク解析で得た最新の結果を本日発表いたしました。同試験では悪性黒色腫切除後の「タフィンラー®(ダブラフェニブ)」と「メキニスト®(トラメチニブ)」の併用療法が、BRAF 遺伝子変異陽性のステージIII 悪性黒色腫と診断されたハイリスク患者において、長期かつ持続的な無再発生存(RFS)の改善に効果的であることが示されました1。「タフィンラー」「メキニスト」を併用したアジュバント治療(術後補助療法)を行った患者の5 年の無再発生存率は52%(95%信頼区間、48%~58%)であることが研究者から報告されました1。プラセボ群の無再発生存率は、本試験の解析の時点で36%(95%信頼区間、32%~41%)であり、切除後に無治療のステージIII の患者に一般的に見られる、悪性黒色腫の無再発生存率と概ね一致した結果が示されました1,3-5。AJCC ガイドライン第7 版に基づくステージIII サブグループ全体で、一貫してRFS の改善効果が認められました1,6

「タフィンラー」「メキニスト」併用療法を受けた患者では、5 年のデータカットオフ時点でRFS の中央値、つまり患者の50%の無再発生存期間は未達であり、アジュバント治療下での分子標的治療による長期的な改善効果が示唆されました(NR;95%信頼区間、47.9 カ月-NR)1。プラセボ群ではRFS の中央値は16.6 カ月でした(95%信頼区間、 12.7~22.1 カ月)1。「タフィンラー」「メキニスト」により、プラセボ群と比較して再発または死亡のリスクが49%低減しました(ハザード比〔HR〕0.51;95%信頼区間 0.42、0.61)1

ドイツ、シュレスヴィヒホルシュタイン大学病院皮膚科学教授アクセル ハウスチャイルドは次のように述べています。「私たちは臨床医として、無再発生存の可能性の最も高い治療法をステージIII の患者さんに提供することを目標としています。」さらに「COMBI-AD 試験の結果から、外科的切除後に『タフィンラー』『メキニスト』を併用したアジュバント治療を行うことにより、悪性黒色腫患者において無再発生存期間の延長の可能性が示されました。患者さんにとって5 年は、臨床的にも精神的にも重要なマイルストーンになります。いったん他臓器に転移したBRAF 遺伝子変異を有する再発悪性黒色腫は、危険性が増し治療が困難になる恐れがあります。COMBI-AD 試験で患者さんに見られた長期的かつ持続的な結果は、分子標的治療がアジュバント治療で重要な役割を担っていることを明確にしました。」

COMBI-AD 試験結果は、BRAF V600 遺伝子変異のある悪性黒色腫患者を対象に、術後に「タフィンラー」「メキニスト」併用療法を行った870 人の前向き解析の結果です1。当試験は、同患者集団に対する分子標的治療において、過去最大のデータ収集や最長期間の追跡調査が実施されました2。同試験の結果は、2020 年米国臨床腫瘍学会年次総会で発表されました(抄録番号10001)1

ノバルティス、グローバル医薬品開発責任者でありチーフメディカルオフィサーのジョン ツァイは次のように述べています。「5 年生存指標は悪性黒色腫患者、そしてその担当医にとって将来を見据えた重要なマイルストーンです。」さらに「本日発表したCOMBI-AD の試験データのなかで、悪性黒色腫の再発または死亡リスクが約50%低減したことが確認されました。術後の治療を選択するうえで、患者さんにこの情報の有用性を感じていただけると信じています。この長期臨床試験に参加した患者さんとその家族に感謝いたします。こうした方々の参加、協力により、切除可能なステージIII 悪性黒色腫患者の予後がBRAF 標的治療によってどう変わるのかを知ることができました。」

オンコロジーコミュニティへの当社の取り組みなど、ノバルティスからの最新情報、そして2020 年米国臨床腫瘍学会年次総会でのデータ発表へのアクセスについてはこちらをご覧ください(登録参加者用)。
h​ttp​s://w​ww.v​irtua​lco​ngr​ess.nov​artis​.co​m/ASCO​20

COMBI-AD 試験について1,2,6,7

COMBI-AD は、治療歴のないBRAF V600E/K 遺伝子変異陽性のステージIII 悪性黒色腫患者を対象とし、「タフィンラー(ダブラフェニブ)」「メキニスト(トラメチニブ)」の併用療法を評価した第III 相ピボタル試験です。同試験ではアジュバント治療として分子標的治療を受けるステージIII 悪性黒色腫患者を対象とし、過去最長の60 カ月間におよぶ追跡調査を実施し、過去最大のデータセットを集積しました。

同試験は、外科的切除後の悪性黒色腫に対するアジュバント治療において、ダブラフェニブとトラメチニブの併用群と、これら2 剤のプラセボ群を比較した、無作為化二重盲検2 群間比較第III 相試験です。完全切除後のBRAF V600E/K 遺伝子変異陽性、再発ハイリスク〔ステージIIIa (リンパ節転移 >1 mm)、IIIb またはIIIc〕が組織学的に確認された皮膚悪性黒色腫患者を対象とし、適格性を確認しました。ダブラフェニブ(150 mg を1 日2 回)とトラメチニブ(2 mg を1 日1 回)の併用群、またはこれら2 剤のプラセボ群に被験者を無作為に割り付け、最長1 年間投与しました。主要評価項目は無再発生存期間とし、副次評価項目には全生存期間、無遠隔転移生存期間、無再発期間の解析、安全性が設定されました。

悪性黒色腫の病期分類は、AJCC ガイドライン第7 版に基づき評価しました。

追跡調査期間の延長時に治療を継続している患者がいなかったため、5 年間の追跡調査期間中に新たな安全性解析は実施されませんでした。

悪性黒色腫について

悪性黒色腫(ステージ0~IV)の新規患者数は世界中で年間28 万5,000 人を超えており、その約半数にBRAF 遺伝子変異が見られます8,9。 遺伝子検査により、腫瘍にBRAF 遺伝子変異があるかの判定ができます10

悪性黒色腫の病期を決定する一つの方法として、転移の程度を評価します11。腫瘍が局所リンパ節まですでに広がったステージIII 悪性黒色腫では、再発または転移のリスクが高まります11。ステージIII 悪性黒色腫のため外科療法を受けた患者は、術後も悪性黒色腫細胞が体内に残存する可能性があることから、再発リスクが高い場合があります12。一般的にステージIII 悪性黒色腫における再発は、その大半が5 年以内に発生しています13。悪性黒色腫の再発リスクのある患者さんは、担当医にご相談ください12

免責事項

本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-F をご参照ください。

ノバルティスについて

ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と医療の未来を描いています。私たちは、医薬品のグローバルリーディングカンパニーとして、革新的な科学とデジタルテクノロジーを駆使し、医療ニーズの高い領域で変革をもたらす治療法の開発を行っており、新薬開発のために、常に世界トップクラスの研究開発費を投資しています。ノバルティスの製品は、世界中の8 億人以上の患者さんに届けられています。また、私たちは、ノバルティスの最新の治療法に多くの人がアクセスできるように革新的な方法を追求しています。約10 万9 千人の社員が世界中のノバルティスで働いており、その国籍は145 カ国に及びます。
詳細はホームページをご覧ください。 https://www.novartis.com

以上

参考文献

  1. Hauschild A, et al. Long-term benefit of adjuvant dabrafenib + trametinib (D+T) in patients (pts) with resected stage III BRAF V600–mutant melanoma: 5-year analysis of COMBI-AD. Abstract #10001. 2020 American Society of Clinical Oncology Annual Meeting, May 29-June 2, Chicago, IL.
  2. Maio M, et al. Adjuvant vemurafenib in resected, BRAFV600 mutation-positive melanoma (BRIM8): a randomised,double-blind, placebo-controlled, multicentre, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2018;19(4):510-520.
  3. Eggermont A, et al. Long-term results of the randomized phase III trial EORTC 18991 of adjuvant therapy with pegylated interferon alfa-2b versus observation in resected stage III melanoma. J Clin Oncol. 2012;30(31):3810–3818.
  4. Garbe C, et al. Adjuvant low-dose interferon {α}2a with or without dacarbazine compared with surgery alone: a prospective-randomized phase III DeCOG trial in melanoma patients with regional lymph node metastasis. Ann Oncol. 2008;19(6):1195–1201.
  5.  Ascierto PA, Borgognoni L, Botti G et al. New paradigm for stage III melanoma: from surgery to adjuvant treatment. J Transl Med. 2019; 17:266. htt​ps:/​/ww​w.ncb​i.n​lm.n​i​h.g​ov/p​c/arti​cles/P​MC6693​227/.
  6. Balch C, et.al. Final version of 2009 AJCC melanoma staging and classification. Journal of Clinical Oncology. 2009;vol. 27, no. 36, pp. 6199–6206.
  7. ClinicalTrials.gov. Dabrafenib With Trametinib in the Adjuvant Treatment of High-risk BRAF V600 Mutationpositive Melanoma (COMBI-AD). (COMBI-AD), Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01682083?term=COMBI-AD&draw=2&rank=1. Accessed April 23, 2020.
  8. Globocan. World Fact Sheet. Available at: http://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/populations/900-world-factsheets.pdf. Accessed April 23, 2020.
  9. Schandendorf D, et al. Melanoma. Nature Reviews Disease Primers. 2015.
  10. Wilson M and Nathanson K. Molecular Testing in Melanoma. Cancer J. 2012 Mar-Apr; 18(2): 117–123.
  11. American Cancer Society. Melanoma Skin Cancer Stages. Available at: h​ttps​://ww​w.can​cer.org/ca​ncer/m​el​anomask​in-can​cer/detect​ion-dia​gnosis-stagin​g/melano​ma-skin-​can​cer-s​tag​es.h​tml. Accessed April 23, 2020.
  12. Melanoma Research Alliance. Adjuvant Therapy. Available at: ht​tp​://www​.curemelanom​a.org/abo​utm​e​lanom​a/me​lanoma-trea​tment/a​djuvant-thera​py/. Accessed April 23, 2020.
  13. Romano E, Scordo M, Dusza S, et al. Site and timing of first relapse in stage III melanoma patients: Implifactions for follow-up guidelines. J Clin Oncol. 2010;28(18):3042-3047.<ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3664035/pdf/zlj3042.pdf>