プレスリリース
報道関係各位
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2020 年5 月27 日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・要約したもので、報道関係者の皆様に対する参考資料として提供するものです。本剤は日本国内では未承認です。資料の内容および解釈については英語が優先されます。英語版はhttps://www.novartis.com をご参照ください。
- B 細胞の迅速かつ十分な減少により、RMS 患者の疾患活動性を抑制することができる1。
- 事後の解析によると、投与開始から1 年目(0〜12 ヵ月)および2 年目(12〜24 ヵ月)において、オファツムマブ投与群の47.0%および87.8%で、それぞれ疾患活動性を認めない状態(NEDA-3)が達成された1。
- 米国におけるオファツムマブのRMS に対する適応承認取得は、2020 年6 月に予定されている。
- オファツムマブが承認された場合、RMS 患者に対し第一選択薬となり、また、ペン型のオートインジェクターを用いた在宅自己注射も選択できる初のB 細胞療法となる可能性がある。
2020 年5 月27 日、スイス・バーゼル発-ノバルティスは本日、第6 回欧州神経学アカデミー(EAN)にて、第III 相ASCLEPIOS 試験および第II 相APLIOS 試験における新たなオファツムマブに関するデータを公表したことを発表しました。公表されたデータは、引き続き、オファツムマブ(OMB157)がRMS 患者に対する新しい治療選択肢となることを実証しています。また、安全性プロファイルは、teriflunomide と同等であることが示されました2。
オファツムマブはB 細胞を標的とする薬剤であり、承認された場合、ペン型のオートインジェクターを用いた在宅自己注射も選択できる初のB 細胞療法として、臨床上のアンメットニーズに貢献することが期待できます2。データは学会にて公表されるだけでなく、2020 年5 月に、European Journal of Neurology にも掲載されました。
第III 相ASCLEPIOS I およびII 試験(n = 1882)の事後解析では、投与開始から1 年目(0〜12 ヵ月)および2 年目(12〜24 ヵ月)のオファツムマブ投与群とteriflunomide投与群におけるNEDA-3 達成患者のオッズを評価しました1。NEDA-3 は、RMS 患者の治療結果を評価するために、一般的に用いられる包括的な複合指標であり、疾患活動性の3 つの指標(再発・6 ヵ月間持続する身体障害進行・ガドリニウム増強(Gd +)T1 病変)がいずれも認められない状態を指します3。今回の結果から、teriflunomide 群と比較して、オファツムマブ群において、より多くの患者が、投与開始から1 年目および2 年目においてNEDA-3 を達成したことが示されました1。1 年目:(47.0% vs24.5%; p <.001)2 年目:(87.8% vs 48.2%; p <.001)。
University Hospital Basel のLudwig Kappos 教授は、「NEDA を達成することは、多発性硬化症治療の重要な治療目標として広く認識されています。」と述べたうえで「これらのデータは、B 細胞療法によってRMS 患者の新規の疾患活動抑制が可能であることを示唆しています。」
また、APLIOS 試験(n = 284)における別の解析によると、オファツムマブが、RMS患者のCD20 陽性B 細胞とCD20 陽性T 細胞の両方を迅速かつ継続的に減少させることが示されました。オファツムマブは、病態の悪化に関与するとされるメモリーB 細胞やナイーブB 細胞、あるいは特定のサブセットのT 細胞を減少させました。一方で、CD20 を発現しないCD3 陽性T 細胞はほとんど影響を受けませんでした4。
「これらの結果は、オファツムマブが承認された際には、RMS 患者さんの生活を大きく改善することができるという私たちの確信の根拠となるものです。」とノバルティスのNeuroscience Global Program Head であるKrishnan Ramanathan は述べています。「これらのデータは、新しい発想で医療に貢献し、革新的な治療法を見出していくことで、この深刻な進行性疾患に苦しむ患者さんを助けるという私たちのコミットメントを証明するものです。」
米国におけるオファツムマブの承認取得は2020 年6 月に予定されています。ノバルティスは、オファツムマブを世界中の患者さんに届けられるよう注力しており、現在、他の国・地域においても承認申請を進めています。
オファツムマブについて
オファツムマブ(OMB157)は、RMS に対し開発されている完全ヒト抗CD20 モノクローナル抗体(mAb)で、月1 回皮下注射で自己投与するものです2,5。前臨床試験で示されているように、オファツムマブはB 細胞表面のCD20 分子の異なるエピトープに結合することにより作用し、強力なB 細胞の溶解および減少を誘発します6。また、オファツムマブの標的選択性と皮下投与を採用したことによって、B 細胞の減少を必要とするリンパ節への正確なターゲティングと、脾臓でのB 細胞温存を両立することが可能となりました7。オファツムマブの月1 回の投与は、B 細胞の迅速な回復も可能とし、利便性の向上に寄与します8。オファツムマブはジェンマブによって開発され、グラクソ・スミスクラインにライセンス供与されました。ノバルティスは、2015 年12 月に、RMS を含むすべての適応症について、オファツムマブに対する権利をグラクソ・スミスクラインから取得しました9。
ASCLEPIOS I およびII 試験について
ASCLEPIOS I およびII 試験は、RMS の成人患者を対象として、オファツムマブ20mg月1 回皮下投与の安全性と有効性をteriflunomide 14mg 錠1 日1 回経口投与との比較から評価するツイン、同一デザイン、可変投与期間(最長30 ヵ月間)、二重盲検、無作為化、多施設共同、第III 相試験です。 ASCLEPIOS I およびII 試験は、総合障害度評価尺度(EDSS)スコアが0~5.5 であった18 歳から55 歳までの1,882 名のMS 患者が登録されました。試験は、37 ヵ国の350 を超える医療機関で実施されました10。
ASCLEPIOS I およびII 試験において、オファツムマブ投与群では、teriflunomide 投与群(両方の試験でP <.001)と比較して、主要評価項目である年間再発率(ARR)をそれぞれ50.5%(0.11 vs 0.22)および58.5%(0.10 vs 0.25)と大幅に減少させました。
また、 オファツムマブ投与群は、Gd 増強 T1 病変と新規または拡大T2 病変の両方の有意な抑制を示しました。両試験ともに、オファツムマブ投与群は Gd 増強T1 病変の平均値を減少させ(ASCLEPIOS I およびII 試験それぞれ97.5%と93.8%の相対的な減少、両方ともP <.001)新規または拡大T2 病変についても同様でした(ASCLEPIOS IおよびII 試験それぞれ82.0%と84.5%の相対な減少、両方ともP <.001)。
オファツムマブ投与群は、ASCLEPIOS 試験で示されているように、事前に決められた統合解析でteriflunomide 投与群と比較して、3 ヵ月間持続するCDW で34.4%(P= .002)、6 ヵ月持続するCDW で32.5%(P = .012)の相対リスク低下も示しました。また、オファツムマブ投与群は、teriflunomide 投与群と比較して、投与開始後3 ヵ月時に実施した初回の評価にて血清中のニューロフィラメント軽鎖を低下させることを示しました。期間中、両群ともベースラインからの脳容積の変化に違いは見られませんでした。 6 ヵ月時点に実施した障害改善項目の測定では、良好な傾向が確認されたものの、有意性は認められませんでした。重篤な感染症と悪性腫瘍の発現頻度は両治療群で類似しており、概してオファツムマブはteriflunomide と同等の安全性プロファイルを示しました。注射に関連する反応、注射部位への反応、上気道感染は、両方の治療グループで最もよくみられた有害事象であり、発現頻度は≧10%でした2。
別の解析によると、オファツムマブがRMS 患者における新たな疾患活動を抑制することも示されました。オファツムマブ投与群とteriflunomide 投与群において、NEDA-3(再発なし・MRI 病変なし・身体障害進行なし)を達成した患者割合は、1 年目で47.0% vs 24.5%(p <.001)、2 年目で87.8% vs 48.2%(p <.001)であり、調整オッズ比はそれぞれ3.36、8.09 でした1。概して、CD20 陽性 B 細胞を標的とする完全ヒトモノクローナル抗体であるオファツムマブは、優れた有効性を示し、感染症の発現率などteriflunomide と同等の安全性と忍容性のプロファイルを示しました2。
APLIOS 試験について
APLIOS 試験は、ASCLEPIOS I およびII 試験で使用されているプレフィルドシリンジと自己注射ペンを介した皮下投与の生物学的同等性を明らかにするため、RMS 患者を対象として実施した12 週、非盲検の第II 相生物学的同等性試験です。参加者は、腹部および大腿部を含む注射箇所や使用機器によって無作為化されました。B 細胞の抑制は12 週間にわたって9 回測定され、ベースラインからのGd 増強病変の値は4、8、12 週目に評価されました。使用機器または注射箇所にかかわらず、オファツムマブ20mg の皮下投与は毎月実施され、迅速かつほぼ完全な形でB 細胞を持続的に抑制しました。 B細胞濃度が10 細胞/μL 未満の患者の割合は、初回投与後7 日時点で65%を超え、4 週目時点で94%となり、その後、残りの投与とともにすべて95%以上を維持しました。オファツムマブ投与により、Gd 増強病変の平均値はベースライン(1.5)からそれぞれ4、8、12 週までに0.8、0.3、0.1 に減少しました。評価時にGd 増強病変のない患者の割合は、それぞれ66.5%、86.7%、および94.1%でした4,5。
多発性硬化症について
MS は、炎症や神経変性によって、脳、視神経および脊髄の正常な機能が障害される疾患です11。世界中で約230 万人が罹患しているMS は、RRMS、SPMS、PPMS の3 種類の病型に分けられます。RRMS を経てSPMS へ移行した患者においては、再発の有無に依らない身体障害進行あるいは認知機能障害の進行が認められ、徐々に障害度が悪化します14。MS 患者の約85%は、再発型MS として発症します12。
ノバルティスの神経内科領域における取組みについて
ノバルティスは、神経内科領域においてアンメットニーズの高い疾患に苦しむ患者さんへの革新的な治療法をお届けすることができるよう研究開発に注力しています。私たちは、MS、片頭痛、アルツハイマー型認知症、パーキンソン病、てんかん、注意欠陥多動性障害など、複数にわたる疾患の患者さんと医療関係者へのサポートに努め、MS、アルツハイマー型認知症、脊髄性筋萎縮症、および特殊神経領域での有望なパイプラインを揃えています。
*オファツムマブの在宅自己注射の日本における適応については未定です。
免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-F をご参照ください。
ノバルティスについて
ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と医療の未来を描いています。私たちは、医薬品のグローバルリーディングカンパニーとして、革新的な科学とデジタルテクノロジーを駆使し、医療ニーズの高い領域で変革をもたらす治療法の開発を行っており、新薬開発のために、常に世界トップクラスの研究開発費を投資しています。ノバルティスの製品は、世界中の8 億人以上の患者さんに届けられています。また、私たちは、ノバルティスの最新の治療法に多くの人がアクセスできるように革新的な方法を追求しています。約10 万9 千人の社員が世界中のノバルティスで働いており、その国籍は約145 カ国に及びます。詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.com
参考文献
- Hauser S, Bar-Or A, Cohen J, et al. Ofatumumab versus teriflunomide in relapsing multiple sclerosis: Analysis of no evidence of disease activity (NEDA-3) from ASCLEPIOS I and II trials. Eur J Neurol. 2020;27(1):261–263.
- Hauser S. Efficacy and safety of ofatumumab versus teriflunomide in relapsing multiple sclerosis: results of the phase 3 ASCLEPIOS I and II trials. Presented at the European Committee for Treatment and Research in Multiple Sclerosis (ECTRIMS) Annual Conference; September 11–13, 2019; Stockholm, Sweden.
- MS Trust. NEDA (no evidence of disease activity) [online]. Available from: https://www.mstrust.org.uk/a-z/neda-noevidence-disease-activity [Last accessed: May 2020].
- Wiendl H, Fox E, Goodyear A, et al. Effect of Subcutaneous Ofatumumab on Lymphocyte Subsets in Patients with RMS: Analysis from the APLIOS Study. Eur J Neurol. 2020;27(1).
- Bar-Or A, Fox E, Goodyear A, et al. Onset of B-cell Depletion with Subcutaneous Administration of Ofatumumab in Relapsing Multiple Sclerosis: Results from the APLIOS Bioequivalence Study. Presented at Americas Committee for Treatment and Research in Multiple Sclerosis Forum; February 27–29, 2020.
- Smith P, Kakarieka A, Wallstroem E. Ofatumumab is a fully human anti-CD20 antibody achieving potent B-cell depletion through binding a distinct epitope. Poster presented at ECTRIMS; September 2016; London, UK.
- Smith P, Huck C, Wegert V, et al. Low-dose, subcutaneous anti-CD20 therapy effectively depletes B-cells and ameliorates CNS autoimmunity. Poster presented at ECTRIMS; September 14–17, 2016; London, UK.
- Savelieva M, Kahn J, Bagger M, et al. Comparison of the B-Cell Recovery Time Following Discontinuation of Anti-CD20 Therapies. ePoster presented at ECTRIMS; October 25–28, 2017; Paris, France.
- GSK press release. GSK completes divestment of rights to ofatumumab for auto-immune indications to Novartis.
December 21, 2015. Available from: https://www.gsk.com/en-gb/media/press-releases/gsk-completes-divestment-of-rights-toofatumumab-for-auto-immune-indications-to-novartis/ [Last accessed: May 2020]. - Kappos L, Bar-Or A, Comi G, et al. Ofatumumab Versus Teriflunomide in Relapsing Multiple Sclerosis: Baseline Characteristics of Two Pivotal Phase 3 Trials (ASCLEPIOS I and ASCLEPIOS II). Poster presented at ECTRIMS; October 10–12, 2018; Berlin, Germany.
- National Multiple Sclerosis Society. Definition of MS. Available from: https://www.nationalmssociety.org/What-is-MS/Definition-of-MS [Last accessed: May 2020].
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Available from: http://www.msif.org/wp-content/uploads/2014/09/Atlas-of-MS.pdf [Last accessed: May 2020]. - MS Society. Types of MS. Available from: https://www.mssociety.org.uk/about-ms/types-of-ms [Last accessed: May2020].
- National Multiple Sclerosis Society. Secondary Progressive MS (SPMS). Available from:
https://www.nationalmssociety.org/What-is-MS/Types-of-MS/Secondary-progressive-MS [Last accessed: May 2020].
以上