May 19, 2020

プレスリリース

報道関係各位

​この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2020 年5 月6 日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・要約したもので、報道関係者の皆様に対する参考資料として提供するものです。本製品は日本国内で製造販売承認申請中です。資料の内容および解釈については英語が優先されます。英語版はhttps://www.novartis.comをご参照ください。

  • Tabrecta(カプマチニブ)は、MET エクソン14 スキッピング(METex14)変異を有する転移性NSCLC を特異的標的としてFDA に承認された最初で唯一の治療薬1
  • 米国では毎年約4,000~5,000 人がMETex14 変異を有する転移性NSCLC と診断され、変異が存在することで予後不良となる可能性がある2-3
  • METex14 変異を有する患者にTabrecta を投与した場合の全奏効率は、未治療の患者群において68%、治療歴のある患者群において41%を示した1
  • FDA の承認は、肺がんとともに生きる患者に革新的な治療アプローチを提供するノバルティスの大胆なビジョンをさらに推進


2020年5月6日、スイス・バーゼル発 – ノバルティスは本日、FDAが承認した検査法で検出されたMETエクソン14スキッピング(METex14)変異を有する転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者の治療薬として、経口MET阻害剤Tabrecta™ (カプマチニブ)が米国食品医薬品局(FDA)から承認を受けたことを発表しました。本適応は、全奏効率および奏効期間に基づき、迅速承認制度のもとで承認されたものです。なお、本適応の承認は、検証的試験における臨床的有用性の検証が条件となる可能性があります。

本承認は、METex14変異を有する患者における、緊急のニーズを満たすものであり、当該患者ではこれまでこのドライバー遺伝子を特異的標的とした治療選択肢はありませんでした3。Tabrectaは、未治療の患者および治療歴のある患者の治療薬として承認され、近日中に患者に使用できるようになる見込みです。

FDAはまた、Tabrectaの使用に際して腫瘍組織中のMETエクソン14スキッピング変異を検出するためのコンパニオン診断薬としてFoundationOne®CDxも承認しました。
GEOMETRY試験の治験責任医師であるケルン大学病院総合腫瘍センターのJuergen Wolf医学博士は、次のように述べています。「非小細胞肺がんは、がんの増殖を促進する多くの異なる変異が重なって起こり得る複雑な疾患です。METエクソン14スキッピング変異は、既知の発がんドライバー遺伝子です。本日のFDAの承認により、私たちは今、この治療困難なタイプの肺がんに対して検査および標的療法を行うことができ、この変異を有するNSCLC患者さんに新たな希望を与えることが可能になりました」

ノバルティスは、カプマチニブに対する画期的治療薬(ブレークスルーセラピー)の指定を受けていました。FDAのガイドラインによれば、画期的治療薬の指定を受ける治療法は、重篤または生命を脅かす疾患を対象とし、1つ以上の予備的研究エンドポイントに関して、従来の治療法に比べて実質的な改善を示す必要があります。

Tabrecta の承認は、多施設共同、非無作為化、非盲検、マルチコホートのピボタル第II 相臨床試験であるGEOMETRY mono-1 試験の結果に基づいています。METex14 変異を有する患者集団(n=97)において、RECISTv1.1 に準拠した盲検下独立判定委員会(BIRC)の評価に基づいて確認された全奏効率は、未治療の患者群(n=28)において68%(95% CI , 48-84)、治療歴のある患者群(n=69)において41%(95% CI , 29-53)でした1。本試験ではさらに、Tabrecta を投与した場合の奏効期間の中央値は、未治療の患者群(レスポンダー19 例)において12.6 ヵ月(95% CI , 5.5–25.3)、治療歴のある患者群(レスポンダー28 例)において9.7 ヵ月(95% CI , 5.5-13.0)であることも示されました1。最も多く認められた治療に関連する有害事象(AE, 発現率20%以上)は、末梢性浮腫、悪心、疲労、嘔吐、呼吸困難、および食欲減退でした1

ノバルティスオンコロジーのプレジデントであるスザンヌ・シャファートPhDは、次のように述べています。「本日、またとりわけ厳しいこの状況下において、Tabrectaが、METex14変異に関連する悪性度の高いNSCLCと診断された患者さんに対する初の治療薬としてFDAに承認されたことを、非常に誇らしく思います。新しい発想でこれからの医薬品と医療の未来を描くという目標に向けて、私たちはNSCLCの理解と治療を推進するために、これまで数十年にわたって精力的に取り組み、一つずつ変異を理解し、患者さんの生活に変化をもたらす努力をしてきました。Tabrectaの臨床試験に参加いただいたすべての医師、患者さんとそのご家族に感謝いたします。そしてこれからも、患者さんにお届けする革新的なソリューションを推進するために私たちは引き続き尽力いたします」

NSCLCは、毎年新たに肺がんと診断される、全世界の200万人の患者のうち約85%を占めています(米国内の約22万8,000人を含む)4- 5。NSCLC患者の70%近くは、ゲノム変異を有しています6。METex14変異は、新たに転移性NSCLCと診断された患者の約3~4%に認められ(米国内で年間4,000~5,000人)、発がんドライバー遺伝子として認識されています2, 7 -9

LUNGevityのプレジデント兼CEOであるアンドレア・フェリス(AndreaFerris)は、次のように述べています。「NSCLCと同時に、変異がそのがんを引き起こしているかを知ることは非常に重要です。また、医師や患者さんにとって、診断時または進行時に包括的なバイオマーカー検査により、METex14の原因となるような変異を確認することは重要です。腫瘍の分子構造の詳細を知ることは、患者さんとその医療チームが最初から十分な情報を得た上で治療に関する判断をするのに役立ちます」

ノバルティスは、患者さんへの治療薬の提供とともに、幅広いニーズに応えるためのリソースおよびサポートに熱心に取り組んでいます。ノバルティスオンコロジーの患者サポートプログラムを利用すると、教育情報の提供から保険の補償範囲の理解および可能な資金援助オプションの特定の支援まで、治療開始のさまざまな側面において、患者さんを的確な治療に導くのに役立ちます。患者さんと医療従事者は、電話での問い合わせ(800-282-7630)やウェブサイト(Patient .NovartisOncology.comまたはHCP.Novartis.com/Access)で適格性に関する詳細を知り、登録することができます。

Tabrectaの詳細な処方情報はホームページをご覧ください。
https://www.novartis.us/sites/www.novartis.us/files/ tabrecta.pdf

Tabrecta(カプマチニブ)について

Tabrecta(カプマチニブ)は、METを標的とするキナーゼ阻害剤です。Tabrectaは、2009年にノバルティスがIncyte社からライセンスを取得しました。この契約に基づき、Incyte社はノバルティスに、あらゆる適応症におけるカプマチニブおよび特定のバックアップ化合物に対する全世界における独占的開発および商業権を付与しました。

GEOMETRY mono-1試験について

GEOMETRY mono-1試験は、EGFR野生型、転移性NSCLCの成人患者を対象に全奏効率を評価する、多施設共同、非無作為化、非盲検、マルチコホートの第II相臨床試験です。

本試験では、METex14変異(中央検査によって確認)を有する転移性NSCLCの成人患者97例を、コホート4(n=69、治療歴のある患者群)または5b(n=28、未治療の患者群)に割り付け、カプマチニブ錠を1日2回経口投与することにより評価しました。

主要な有効性の評価項目は、RECIST v1.1に準拠したBIRCの評価に基づく全奏効率です。副次的な有効性の評価項目は、BIRCによる奏効期間です。

肺がんに対するノバルティスのコミットメント

世界的に肺がんによる死亡者数は、結腸がん、乳がん、前立腺がんを合わせた数よりも多いとされており、毎年200万人以上の人々が新たに肺がんの診断を受けています4。治療は進歩しているものの、NSCLC患者さんの予後は依然として不良であり、治療選択肢は限られています3。NSCLC患者さんの約70%は、治療可能な標的となり得る遺伝子変異を有しています6。最も適切な治療法を決定するために、医療関連学会は肺がん患者さんの遺伝子検査を推奨しています7

ノバルティスオンコロジーの研究は、NSCLC とともに生きる患者さんの治療法を改善することに貢献しています。ノバルティスは、進行中の試験のみならず、NSCLCにおける治験薬の探索を通じて、世界の肺がんコミュニティへのコミットメントを継続しています。これには、遺伝子バイオマーカーおよび腫瘍を促進させる炎症を標的とした治験薬が含まれます。

免責事項

本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。

ノバルティスについて

ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と医療の未来を描いています。私たちは、医薬品のグローバルリーディングカンパニーとして、革新的な科学とデジタルテクノロジーを駆使し、医療ニーズの高い領域で変革をもたらす治療法の開発を行っており、新薬開発のために、常に世界トップクラスの研究開発費を投資しています。ノバルティスの製品は、世界中の8 億人以上の患者さんに届けられています。また、私たちは、ノバルティスの最新の治療法に多くの人がアクセスできるように革新的な方法を追求しています。約10 万9 千人の社員が世界中のノバルティスで働いており、その国籍は約140 カ国に及びます。
詳細はホームページをご覧ください。 https://www.novartis.com

以上

参考文献

  1. Juergen Wolf. Capmatinib (INC280) in METΔex14-mutated advanced non-small cell lung cancer (NSCLC): efficacy data from the Phase II GEOMETRY mono-1 study. Abstract #9004. 2019 American Society of Clinical Oncology Annual Meeting (ASCO), May 31-June 4, 2019, Chicago, IL.
  2. Cappuzzo F, et al. Increased MET gene copy number negatively affects survival of surgically resected non-small-cell lung cancer patients. J Clin Oncol 2009;27:1667-74.
  3. Tong JH, et al. MET Amplification and Exon 14 Splice Site Mutation Define Unique Molecular Subgroups of Non-Small Cell Lung Carcinoma with Poor Prognosis. Clin Cancer Res 2016;22:3048-56.
  4. American Cancer Society. About Lung Cancer. Available at ht​tps://www​.cancer.org/cancer/non-small-cell-lungcancer/about/what-is-non-small-cell-lung-cancer.html. Accessed December 13, 2019.
  5. Salgia R. MET in Lung Cancer: Biomarker Selection Based on Scientific Rationale. Mol Cancer Ther. 2017;16(4) :555-565.
  6. Sadiq AA, Salgia R. MET as a possible target for non-small-cell lung cancer. J Clin Oncol 2013;31:1089-96.
  7. Smyth EC, et al. Emerging molecular targets in oncology: clinical potential of MET/hepatocyte growth-factor inhibitors. Onco Targets Ther. 2014;7:1001-1014.
  8. World Health Organization. Cancer Fact Sheet, 2018. Available at: https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/cancer. Accessed December 13, 2019.
  9. CancerCare. Types and Staging of Lung Cancer. Available at:https://www.lungcancer.org/find_information/publications/163-lung_cancer_101/268-types_and_staging. AccessedDecember 13, 2019.


*FoundationOne®CDx はFoundation Medicine 社の登録商標です。