Sep 16, 2025

プレスリリース

報道関係各位

ノバルティス ファーマ株式会社

この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2025830日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.novartis.comをご参照ください。

  • V-DIFFERENCE試験は、スタチンの後に追加投与されたレクビオによって、より多くの患者がガイドライン推奨されるLDL-Cの管理目標値を早期に達成し、さらに筋肉痛の発現頻度が低いことを示した最初の試験である1
  • 個別に最適化された脂質低下療法(LLT)との併用で、レクビオ群の85%、プラセボ群の31%LDL-Cの目標を90日以内に達成した1
  • レクビオLLT併用群はプラセボLLT併用群と比較して筋肉関連有害事象の発現率が43%低かった1

 

2025830、スイス・バーゼル発 ― ノバルティスは本日、ガイドラインで推奨されるLDL-Cの管理目標値を達成していないコレステロール高値(高コレステロール血症)患者を対象に、個別に最適化された脂質低下療法(LLT)との併用で、レクビオ®(一般名:インクリシランナトリウム)をプラセボと比較し評価する第IVV-DIFFERENCE試験から得られた良好な結果を発表しました1。これらのデータは、2025829日から91日にスペイン、マドリッドで開催される2025年欧州心臓病学会(ESC)のホットラインセッションで発表されます。

投与90日後にガイドラインで推奨されるLDL-Cの管理目標値を達成したのは、LLTにレクビオを追加投与した患者の85%LLTにプラセボを追加投与した患者の31%でした(p<0.00011。投与30日後という早期の時点で患者の81%LDL-Cの目標を達成する有意な効果が認められました1。結果は試験参加者の年齢、性別、心血管リスクにかかわらず一貫していました。V-DIFFERENCE試験の結果は、世界50カ国以上で6万人を超える患者が登録されたVictORION臨床プログラム内で、レクビオのエビデンスをさらに拡充しています。

German Heart Center of CharitéおよびCharité University Medicine Berlinの心臓病学、脈管学および集中治療医学部門の長であるUlf Landmesser, M.D.は以下のように述べています。「V-DIFFERENCE試験は、これまでに発表された最大規模のレクビオによるLDL-C低下試験であり、患者中心アウトカムに焦点を当てる最初の試験です。これらの結果は、大多数が推奨LDL-Cレベルをなかなか達成できない高リスク患者の脂質管理の改善に効果的な選択肢を提示するため、重要な意味を持ちます」。

V-DIFFERENCE試験は、スタチンや他のLLTを受ける患者で高頻度に発現する筋肉症状および筋肉痛に対するレクビオの有効性を評価する最初の試験です1,2。レクビオLLT併用群はプラセボLLT併用群と比較して筋肉関連有害事象(MRAE)の発現率が43%低く(p<0.0001)、痛みに関連するQoLスコアの数値的な改善も示されました1。さらに、LLTにレクビオを追加投与した群では投与360日後にLDL-C値が平均で59%低下して、プラセボとLLT併用群より35%優れた効果を示し(p<0.0001)、投与開始後60日時点で臨床的に意義のある差が認められました1

ノバルティスの循環器・腎臓・代謝デベロップメントユニットのグローバルヘッドであるRuchira Glaser, M.D.は以下のように述べています。「ノバルティスは心血管疾患で最も困難な諸問題に献身的に取り組んでいます。これらの結果は、意味のある患者アウトカムを改善することによって心血管治療を変容させるレクビオの可能性を際立たせるものです。V-DIFFERENCE試験から、レクビオの早期使用は、他の治療の追加やスタチン用量の最大化の必要なく、患者が早期にLDL-Cの管理目標値に到達するために効果的な手段であるというエビデンスが得られました」。

レクビオについて

レクビオ®(一般名:インクリシランナトリウム)は、最初で唯一のLDLコレステロール(LDL-C)を低下させるsiRNA(低分子干渉リボ核酸)製剤です。レクビオは医療従事者(HCP)によって投与される皮下注射の薬剤であり、投与間隔は初回、3カ月後、以降6カ月に1回です3,46月以降は,HCPによる年2回の投与であるため、コレステロール管理で高頻度に生じる治療アドヒアランスの問題の回避に役立つと期待されます。

レクビオは、米国、欧州、日本、中国など100を超える国または地域で承認されています3-6。ノバルティスは、RNAiRNA interferenceRNA干渉)治療薬のリーディングカンパニーであるAlnylam Pharmaceuticals社とのライセンス・提携契約の下で、レクビオの開発、製造および商品化の世界的な権利を取得しています。

V-DIFFERENCE試験について

V-DIFFERENCENCT05192941)試験は、ガイドラインで推奨されるLDL-Cの管理目標値を達成していないコレステロール高値(高コレステロール血症)で、心血管リスクが高いまたは非常に高い患者を対象に、個別に最適化された脂質低下療法(LLT)に加えて、レクビオの有効性、安全性、生活の質(QoL)の転帰を、プラセボと比較して評価するランダム化、二重盲検、プラセボ対照第IV相試験です2。計1,770例を、レクビオLLT併用群(898例)またはプラセボLLT併用群(872例)に1:1の割合でランダム化しました1

主要評価項目は、投与90日後の患者ごとのLDL-Cの管理目標値(心血管リスク分類により<55 mg/dLまたは<70 mg/dL)を達成した患者の割合でした7。主要な副次評価項目は、投与360日後の平均LDL-C値のベースラインからの変化率、筋肉関連有害事象(MRAE)が1回以上発現した患者の割合などでした7。他の副次評価項目は、投与360日後の自己報告による痛みが発現した患者の割合、Short-Form Brief Pain InventorySF-BPI)で評価した痛みに関連するQoL尺度などでした7

VictORIONについて

V-DIFFERENCE試験が含まれるVictORIONは、多様な患者集団におけるレクビオによるLDL-C低下の基礎的エビデンスを拡大する臨床試験プログラムであり、ランダム化臨床試験、実装研究、リアルワールドエビデンス、一次および二次予防における心血管アウトカムに対するレクビオの潜在的ベネフィットの評価を目的とした複数の試験が含まれています。VictORIONは最大規模の臨床試験プログラムであり、ORION-4(二次予防)、V-2-PREVENT(二次予防)、V-1-PREVENT(高リスク患者の一次予防)、V-INTERVENTIONV-PLAQUEV-RIDESなど30本を超える試験から構成され、世界50カ国以上で6万人を超える患者が登録されています。

動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)について

心血管疾患(CVD)の罹患者は何億人にも上り、全世界の死亡者数はがん、慢性肺疾患、糖尿病による死亡者を合わせた数を上回ります8。心血管疾患による早期死亡の約80%は、CVDの原因または増悪要因に対処することによって予防できる可能性があります9

ASCVDは心血管疾患による全死亡の85%を占めています10-13。欧州連合における主要な死因であり、米国ではASCVDによる負担は他の慢性疾患よりも大きなものとなっています10-13ASCVDは、動脈内壁のプラークの発生および進展により生じます14。動脈硬化性プラークは、主に時間の経過とともに蓄積するLDL-Cで構成されます15LDL-Cへの累積曝露量は、心臓発作や脳卒中などの心血管イベントのリスクを上昇させます14,15

循環器領域におけるノバルティスについて

ノバルティスのミッションは、「心血管疾患(CVD)で失われる命を一つでも減らす」ことです。ノバルティスは、予防できる心血管死が一掃された世界を思い描いています。これまでの40年間に達成した成果を誇らしく思うとともに、これからも心血管疾患(CVD)で最も困難な諸問題に献身的に取り組んでいきます。最先端の科学と技術を通じて、xRNAプラットフォームを多くの危険因子に拡大するなど、困難なアンメットニーズのある領域に焦点を合わせ、遺伝的要因のCVD危険因子や患者数の多い心房細動などの心疾患に対する画期的な治療をいち早く開発します。

ノバルティスは、心血管治療をより良くするために、医療の枠組みを超えて世界中の患者さんや医療従事者、組織と協力しています。それとともに、CVD患者さんが健康的な生活を長く享受し、大切な人と共に過ごせるよう尽力します。

免責事項

本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了承ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。 

ノバルティスについて

ノバルティスは、革新的医薬品の研究、開発、製造、販売を行うグローバル製薬企業です。ノバルティスは、患者さん、医療従事者、社会全体と共に病に向き合い、人びとがより充実した健やかな毎日が過ごせるため「医薬の未来を描く(Reimagining Medicine)」ことを追求しています。ノバルティスの医薬品は、世界中で約3億人の患者さんに届けられています。詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.com
ノバルティスのソーシャルメディアもご覧ください。Facebook LinkedIn X/Twitter Instagram

以上

 

参考文献

  1. Novartis. Data on file.
  2. Landmesser U, Laufs U, Schatz U, et al. Design and rationale of the VICTORION-Difference study: A phase 4 randomized, double-blind, placebo-controlled clinical trial to assess inclisiran’s early efficacy, safety, tolerability, as well as its impact on quality of life in individuals with hypercholesterolemia. Am Heart J. 2025;289:117-126. doi:10.1016/j.ahj.2025.05.014
  3. Leqvio. Summary of Product Characteristics. Novartis.
  4. Leqvio. Prescribing information. Novartis Pharmaceuticals Corp.
  5. National Medical Products Administration. Drug approval document delivery information. Published August 24, 2023. Accessed August 11, 2025. https://www.nmpa.gov.cn/zwfw/sdxx/sdxxyp/yppjfb/20230824155809182.html
  6. Pharmaceutical and Medicinal Devices Agency Japan. New drugs approved in FY 2023 document. Accessed August 11, 2025. https://www.pmda.go.jp/files/000269225.pdf
  7. ClinicalTrials.gov. NCT05192941. Accessed August 11, 2025. https://clinicaltrials.gov/study/NCT05192941
  8. American Heart Association. More than half of U.S. adults don’t know heart disease is leading cause of death, despite 100-year reign. Published January 24, 2024. Accessed August 11, 2025. https://newsroom.heart.org/news/more-than-half-of-u-s-adults-dont-know-…
  9. World Heart Federation. World Heart Report. Published May 20, 2023. Accessed August 11, 2025. https://world-heart-federation.org/wp-content/uploads/World-Heart-Repor…
  10. World Health Organization. Cardiovascular diseases (CVDs). Published June 11, 2021. Accessed August 11, 2025. https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/cardiovascular-diseases-(cvds)
  11. Roger VL, Go AS, Lloyd-Jones DM, et al. Heart disease and stroke statistics-2012 update: a report from the American Heart Association. Circulation. 2012;125(1):e2-e220.
  12. Kim H, Kim S, Han S, et al. Prevalence and incidence of atherosclerotic cardiovascular disease and its risk factors in Korea: a nationwide population-based study. BMC Public Health. 2019;19(1):112.
  13. Grundy SM, Stone NJ, Bailey AL, et al. 2018 AHA/ACC/AACVPR/AAPA/ABC/ACPM/ADA/AGS/APhA/ASPC/NLA/PCNA guideline on the management of blood cholesterol: a report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Clinical Practice Guidelines. Circulation. 2019;139:e1082-e1143.
  14. Goldstein JL, Brown MS. A century of cholesterol and coronaries: from plaques to genes to statins. Cell. 2015;161(1):161-172.
  15. Ference BA, Graham I, Tokgozoglu L, Catapano AL. Impact of lipids on cardiovascular health: JACC Health Promotion Series. J Am Coll Cardiol. 2018;72(10):1141-115 

 

 

印刷するには以下の印刷ボタンをクリックし、次のページで右クリックの上、メニューの「印刷」を選択してください
また、この文章は印刷ページにも表示されます