プレスリリース
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2025年7月17日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.novartis.comをご参照ください。
- 第2四半期の売上高は11%増(実質ベース1、米ドルベース 12%増)、コア営業利益1は21%増(実質ベース、米ドルベース 20%増)
- 売上高の伸びは、Kisqali(実質ベース 64%増)、エンレスト(実質ベース 22%増)、ケシンプタ(実質ベース 33%増)、セムブリックス(実質ベース 79%増)、レクビオ(実質ベース 61%増)、Pluvicto(実質ベース 30%増)の好調継続に牽引される
- コア売上高営業利益率1は、主に売上高の伸びが寄与し、3.4ポイント増(実質ベース)の42.2%
- 第2四半期の営業利益は25%増(実質ベース、米ドルベース 21%増)、純利益は26%増(実質ベース、米ドルベース 24%増)
- 第2四半期のコアEPS1は、24%増(実質ベース、米ドルベース 23%増)の2.42米ドル
- 第2四半期のフリーキャッシュフロー1は63億米ドル(米ドルベース 37%増)となり、営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加が寄与
- 上半期の売上高は13%増(実質ベース、米ドルベース 12%増)、コア営業利益は24%増(実質ベース、米ドルベース 21%増)
- 第2四半期の研究開発における主なマイルストーン:
- Pluvicto 第Ⅲ相PSMAddition試験でPSMA陽性転移性ホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)に対する肯定的結果を得る
- Vanrafia(astrasentan)IgA腎症適応が、FDAに迅速承認される
- OAV101 髄腔内注射 脊髄性筋萎縮症(SMA)適応を米国および欧州連合(EU)で申請
- Votoplam 第Ⅱ相PIVOT-HD試験でハンチントン病に対する肯定的結果を得る
- レミブルチニブ 第Ⅱ相試験で食物アレルギーに対する肯定的結果を得る
- 2027年末までに最大100億米ドルの自己株式購入を開始
- 2025年通期業績予想2のうち、コア営業利益を上方修正
- 売上高は一桁台後半の成長率(修正なし)
- コア営業利益は10%台中盤までの成長率を予想(10%台前半から上方修正)
2025年7月17日、スイス・バーゼル発 ― ノバルティスCEOのヴァス・ナラシンハンは、2025年第2四半期の業績について、次のようにコメントしています。
「ノバルティスは、売上高の二桁成長ならびにコア営業利益の成長を示し、2025年第2四半期も優れた業績を達成しました。私たちは、引き続きKisqali、Pluvicto、セムブリックスの優れた上市活動に注力し、ポートフォリオの置き換えの実行力を発揮しています。また、Pluvictoの3つめの第Ⅲ相試験におけるホルモン感受性前立腺がんに対する肯定的な結果の入手や、OVA101 髄腔内注射の脊髄性筋萎縮症(SMA)適応の世界各国での申請など、パイプラインにおける重要なマイルストーンも達成しました。ノバルティスの堅実なバランスシート、ならびに中長期的な成長への自信を背景に、私たちは、バランスの取れた資本配分の実現に向け、最大で100億米ドルの自己株式の購入を開始しました」
主要数値
第2四半期(4~6月)
2025年第2四半期 | 2024年第2四半期 | 前年同期比(%) | ||
百万米ドル | 百万米ドル | 米ドルベース | 実質ベース | |
| 売上高 | 14 054 | 12 512 | 12 | 11 |
| 営業利益 | 4 864 | 4 014 | 21 | 25 |
| 純利益 | 4 024 | 3 246 | 24 | 26 |
| 1株当たり純利益(EPS) | (米ドル) | (米ドル) | ||
2.07 | 1.60 | 29 | 32 | |
| フリーキャッシュフロー | 6 333 | 4 615 | 37 | |
| コアベース | ||||
| 営業利益 | 5 925 | 4 953 | 20 | 21 |
| 純利益 | 4 710 | 4 008 | 18 | 19 |
| 1株当たり純利益(EPS) | (米ドル) | (米ドル) | ||
2.42 | 1.97 | 23 | 24 | |
上半期(1~6月)
2025年上半期 | 2024年上半期 | 前年同期比(%) | ||
百万米ドル | 百万米ドル | 米ドルベース | 実質ベース | |
| 売上高 | 27 287 | 24 341 | 12 | 13 |
| 営業利益 | 9 527 | 7 387 | 29 | 33 |
| 純利益 | 7 633 | 5 934 | 29 | 31 |
| 1株当たり純利益(EPS) | (米ドル) | (米ドル) | ||
3.91 | 2.91 | 34 | 37 | |
| フリーキャッシュフロー | 9 724 | 6 653 | 46 | |
| コアベース | ||||
| 営業利益 | 11 500 | 9 490 | 21 | 24 |
| 純利益 | 9 192 | 7 689 | 20 | 22 |
| 1株当たり純利益(EPS) | (米ドル) | (米ドル) | ||
4.69 | 3.77 | 24 | 27 | |
1 実質ベースの数値、コアベースの業績ならびにフリーキャッシュフローは、国際会計基準(IFRS)に準拠していません。IFRSに準拠していない数値の説明は、要約版業績報告書(英文オリジナル版)の40ページに記載されています。本リリースに掲載される成長率は、特に記載のある場合を除き、すべて前年同期に対するものです。2 業績予想の前提条件に関する詳細は、7ページ(英文オリジナル版プレスリリース)をご覧ください。
戦略
事業の集中
ノバルティスは、革新的医薬品に特化した製薬企業です。ノバルティスは、4つのコア疾患領域(循環器・腎臓・代謝、イムノロジー、中枢神経、オンコロジー)に明確に焦点を合わせています。この4つの疾患領域のそれぞれに、負担が大きい疾患に対する治療薬であることに加えて大きな成長の可能性を持つ複数の上市済みならびに開発中の製品を持っています。また、ノバルティスは、既存の2つの技術プラットフォーム(低分子医薬品、抗体医薬品)に加え、新たに3つのプラットフォーム(遺伝子・細胞治療、放射性リガンド療法、核酸医薬品)の研究開発力および生産規模の拡大に、優先的かつ継続的に投資しています。地理的な面では、優先地域である米国、中国、ドイツ、日本での成長にフォーカスしています。
優先課題
- 成長を加速:すべてのコア疾患領域における豊富なパイプラインにより、価値の高い医薬品(新規化合物)の供給に再注力するとともに、優れた上市活動にフォーカス
- 株主への還元:卓越した事業運営と財務業績の改善を継続。資本配分における規律と株主中心の継続、資金生成、資本の柔軟性を支える強力な資本構成の実現
- 基盤の強化:社員の能力の最大化、データサイエンスおよび技術の規模拡大、社会との信頼関係構築の継続
財務業績
2025年第2四半期(4~6月)
売上高は、販売量増加による12ポイントの貢献があり、141億米ドル(12%増、実質ベース 11%増)となりました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響が2ポイントとなったほか、価格によるプラス影響が1ポイント、為替によるプラス影響が1ポイントありました。
営業利益は、売上高の増加が、優先ブランドや上市活動への投資の拡大ならびに係争費用(純額)により一部相殺されたことが主な要因となり、49億米ドル(21%増、実質ベース 25%増)となりました。
純利益は、営業利益の増加によるプラス効果が金融費用(純額)の増加により一部相殺されたことが主な要因となり、40億米ドル(24%増、実質ベース 26%増)となりました。1株当たり純利益(EPS)は、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、2.07米ドル(29%増、実質ベース 32%増)となりました。
コア営業利益は、売上高の増加が、優先ブランドおよび上市活動への投資の拡大により一部相殺されたことが主な要因となり、59億米ドル(20%増、実質ベース 21%増)となりました。コア売上高営業利益率は、2.6ポイント増(実質ベース 3.4ポイント増)の42.2%となりました。
コア純利益は、主にコア営業利益の増加が法人税ならびに金融費用(純額)の増加により一部相殺され、47億米ドル(18%増、実質ベース 19%増)となりました。コアEPSは、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、2.42米ドル(23%増、実質ベース 24%増)となりました。
フリーキャッシュフローは、営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加が寄与し、前年同期の46億米ドルから63億米ドル(米ドルベース 37%増)に増加しました。
2025年上半期(1~6月)
売上高は、販売量増加による14ポイントの貢献があり、273億米ドル(12%増、実質ベース 13%増)となりました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響が2ポイントとなったほか、主に米国での収入控除調整に伴う価格によるプラス影響が1ポイント、為替によるマイナス影響が1ポイントありました。
営業利益は、売上高の増加ならびに偶発的対価の調整によるプラス効果が、優先ブランドや上市活動への投資の拡大により一部相殺されたことが主な要因となり、95億米ドル(29%増、実質ベース 33%増)となりました。
純利益は、営業利益の増加によるプラス効果が法人税および金融費用(純額)の増加により一部相殺されたことが主な要因となり、76億米ドル(29%増、実質ベース 31%増)となりました。1株当たり純利益(EPS)は、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、3.91米ドル(34%増、実質ベース 37%増)となりました。
コア営業利益は、売上高の増加が、優先ブランドおよび上市活動への投資の拡大により一部相殺されたことが主な要因となり、115億米ドル(21%増、実質ベース 24%増)となりました。コア売上高営業利益率は、3.1ポイント増(実質ベース 3.7ポイント増)の42.1%となりました。
コア純利益は、主にコア営業利益の増加が法人税ならびに金融費用(純額)の増加により一部相殺され、92億米ドル(20%増、実質ベース 22%増)となりました。コアEPSは、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、4.69米ドル(24%増、実質ベース 27%増)となりました。
フリーキャッシュフローは、営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加が寄与し、前年同期の67億米ドルから97億米ドル(米ドルベース 46%増)に増加しました。
2025年第2四半期の優先ブランド
第2四半期の業績は、以下を含む主な成長製品への継続的なフォーカスに下支えされました(第2四半期の売上高の伸びに対する貢献順):
| Kisqali | (売上高:1,177百万米ドル、実質ベース 64%増) 最近上市された初期乳がん適応の力強い伸びと転移性乳がん適応の継続したシェア拡大に伴う米国での100%の増収(実質ベース)を含め、すべての地域で大幅な増収を示す |
| エンレスト | (売上高:2,357百万米ドル、実質ベース 22%増) 全世界で需要拡大に伴う力強い伸びを継続 |
| ケシンプタ | (売上高:1,077百万米ドル、実質ベース 33%増) 需要拡大ならびにアクセスのよさを反映し、すべての地域で増収に |
| セムブリックス | (売上高:298百万米ドル、実質ベース 79%増) 慢性骨髄性白血病(CML)患者の高いアンメットニーズならびに最近上市された米国での初期患者への適応拡大による力強い伸びを反映し、すべての地域で売上高が拡大 |
| レクビオ | (売上高:298百万米ドル、実質ベース 61%増) 顧客・患者の採用拡大、疾患啓発活動へのフォーカスが寄与し、堅調な伸びを継続 |
| Pluvicto | (売上高454百万米ドル、実質ベース 30%増) 米国における化学療法前の転移性治療抵抗性前立腺がん(mCRPC)適応の承認を受けた需要拡大と、米国以外の地域での化学療法後のmCRPC適応のアクセス改善が寄与 |
| コセンティクス | (売上高:1,629百万米ドル、実質ベース 6%増) 最近の上市ならびに主要な適応症での販売量増加が寄与し、主に米国・欧州で売上高を拡大 |
| ファビハルタ | (売上高:120百万米ドル) 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)適応の全世界での上市活動の継続、ならびに米国でのIgA腎症およびC3腎症の適応の上市に伴い、売上高が拡大 |
| ルタテラ | (売上高:207百万米ドル、実質ベース 17%増) 需要拡大ならびに特に米国・日本におけるより早期の治療ラインでの使用が寄与し、主に米国・欧州・日本で売上高が増加 |
| ゾルゲンスマ | (売上高:297百万米ドル、実質ベース 17%減) 高い需要が続くも、前年同期と比べ脊髄性筋萎縮症(SMA)の発症患者数が少なかったことを受け、売上高が減少 |
2025年第2四半期 売上高上位20製品
2025年第2四半期 | 前年同期比(%) | 2025年上半期 | 前年同期比(%) | |||
百万米ドル | 米ドルベース | 実質ベース | 百万米ドル | 米ドルベース 実質ベース | ||
| エンレスト | 2 357 | 24 | 22 | 4 618 | 22 | 22 |
| コセンティクス | 1 629 | 7 | 6 | 3 163 | 11 | 11 |
| Kisqali | 1 177 | 64 | 64 | 2 133 | 59 | 60 |
| ケシンプタ | 1 077 | 35 | 33 | 1 976 | 38 | 38 |
タフィンラー・ メキニスト | 573 | 10 | 7 | 1 125 | 13 | 13 |
| レボレード | 502 | -8 | -9 | 1 048 | -2 | -1 |
| ジャカビ | 524 | 11 | 8 | 1 016 | 7 | 8 |
| ゾレア | 443 | 4 | 2 | 899 | 9 | 10 |
| イラリス | 477 | 30 | 27 | 896 | 24 | 24 |
| Pluvicto | 454 | 32 | 30 | 825 | 26 | 26 |
| タシグナ | 327 | -27 | -27 | 704 | -16 | -15 |
| ゾルゲンスマ | 297 | -15 | -17 | 624 | -3 | -3 |
サンドスタチン グループ | 303 | -3 | -3 | 620 | -7 | -6 |
| レクビオ | 298 | 64 | 61 | 555 | 67 | 66 |
| セムブリックス | 298 | 82 | 79 | 536 | 79 | 78 |
| ルタテラ | 207 | 18 | 17 | 400 | 16 | 16 |
エックスフォージ グループ | 191 | 7 | 7 | 370 | 0 | 3 |
| ルセンティス | 173 | -37 | -39 | 362 | -39 | -38 |
| ディオバン グループ | 154 | -4 | -4 | 304 | 1 | 3 |
| エクア グループ | 123 | -18 | -17 | 247 | -17 | -14 |
| 上位20製品 合計 | 11 584 | 16 | 14 | 22 421 | 16 | 17 |
研究開発関連のアップデート ― 第2四半期の主な進捗
新規承認
Vanrafia (astrasentan) | FDAは、進行リスクの高い成人原発性IgA腎症患者に対するVanrafiaの蛋白尿減少の適応を迅速承認。Vanrafiaは、IgA腎炎の支持療法にシームレスに追加することが可能で、基盤治療として使用可能。 |
コアルテム (アルテメテル・ルメファントリン) | 7月、スイス医薬品局(Swissmedic)は、初めて臨床的に立証された2~5 kgの新生児および幼児専用のマラリア治療薬Coartem Babyを承認。今回の承認により、Marketing Authorization for Global Products (MAGHP)の手続きを利用し、アフリカ8か国での承認に道が開かれる。 |
承認申請に関するアップデート
OAV101 髄腔内注射 (オナセムノゲン アベパルボベク) | OAV101 髄腔内注射の脊髄性筋萎縮症(SMA)適応を米国・EUで申請。 |
進行中の臨床試験の結果およびその他のハイライト
Pluvicto (lutetium Lu177 vipivotide tetraxetan) | PSMA陽性転移性ホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)の患者を対象とした第Ⅲ相PSMAddition試験の事前に計画されていた中間解析において、Pluvictoと標準治療(SoC)を併用した患者で、SoC単独と比べ、統計学的に有意かつ臨床的意義のある画像診断による無増悪生存期間(rPFS)の延長効果を示し、主要評価項目を達成。また、本試験では、Pluvicto投与群でより優位な全生存期間の肯定的傾向を確認。本試験データは、今後の医学学会で発表予定であり、FDAのフィードバックを基に2025年下半期に申請予定。 |
コセンティクス (セクキヌマブ) | 第Ⅲ相GCAptAIN試験で、コセンティクスは、初発または再発の巨細胞性動脈炎(GCA)の成人患者において、プラセボ比で統計学的に有意な寛解持続の改善を示さなかった。GCA患者における安全性は、コセンティクスの既知の安全性プロフィールと同等。 |
Kisqali (ribociclib) | HR陽性HER2陰性早期乳がん(eBC)患者を対象とした第Ⅲ相NATALEE試験の新たなサブグループ解析で、Kisqaliと内分泌療法を併用した患者では、年齢および閉経の状況に関わらず、追跡期間の中央値である44.2カ月時点で、すべての有効性の指標における再発リスクの抑制効果が引き続き観察される。試験データを米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表。 |
ファビハルタ (イプタコパン) | 第Ⅲb相APPULSE-PNH試験において、ヘモグロビン(Hb)値が10g/dL以下の発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の成人患者で補体C5阻害剤からファビハルタに切り替えた患者では、臨床的意義のあるHb値の改善を示す。ほとんどの患者(92.7%)がHb値12g/dL以下を達成し、正常値あるいは正常値に近い値に達する。ファビハルタ投与群では、治療期間中に輸血が必要となったり、ブレイクスルー溶血あるいは血管に関わる主な有害事象があった患者はいませんでした。試験データを欧州血液学会(EHA)で発表。 |
センブリックス (アシミニブ) | 初発の慢性期フィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+ CML-CP)の成人患者を対象に、ニロチニブと比較したセンブリックスの忍容性および有効性を評価する第Ⅲb相ASC4START試験において、センブリックス投与群では、ニロチニブ投与群と比べ、有害事象による治療中断リスクが55%低いという結果が得られるとともに、センブリックス投与群では、治療12週目までに分子遺伝学的大奏効(MMR)を達成した患者が、ニロチニブ投与群と比べ12.7%多いという結果が得られる。試験データを米国臨床腫瘍学会(ASCO)および欧州血液学会(EHA)で発表。 |
| Votoplam | ステージ2および3のハンチントン病患者を対象としたvotoplamの第Ⅱ相PIVOT-HD試験において、治療12週目の血中のハンチンチン(HTT)タンパク値の低下に関する主要評価項目を達成(p<0.0001)するとともに、治療12カ月目までの持続的かつ用量依存的な低下が観察される。Votoplamは、すべての用量および病状の段階(ステージ)において、好ましい安全性および忍容性プロフィールを示し、治療に関連する重篤な有害事象またはニューロフィラメント軽鎖タンパク質(NfL)の急増は観察されませんでした。ノバルティスは共同開発パートナーのPTC Therapeutics社とともに本試験結果を評価しており、ハンチントン病患者のコミュニティーおよび審査当局とも連携して次のステップを知らせる予定。 |
| レミブルチニブ | 食物アレルギーへの効果を検討するレミブルチニブの第Ⅱ相試験は、統計学的に有意かつ臨床的意義のある効果を示し、主要評価項目を達成。これらの試験データは、アナフィラキシーを含めた重度のアレルギー反応のリスクを軽減する、ファーストインクラスの経口BTK阻害薬としてのレミブルチニブの可能性を支持するもの。第Ⅲ相試験の計画が進行中。 |
| Ianalumab | プラセボ比での有効性を立証したものの、目標とした基準に達しなかった第Ⅱ相proof-of-concept試験の結果を受け、ianalumabの化膿性汗腺炎(HS)適応の開発を中止することを決定。安全性に関する新たなシグナルは認められず、そのほかすべてのB細胞由来の疾患に対するianalumabの臨床試験は、計画通り進行中。 |
Rapcabtagene autoleucel (YTB323) | T-Chargeプラットフォームを用いた迅速製造可能なCD19 CAR-T細胞療法であるrapcaptagene autoleucelの第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験において、重症かつ難治性の全身性エリテマトーデス(SLE)の12人の患者が、治療後最長12カ月にわたって、CAR-T細胞の増殖、深在性B細胞枯渇、全般的な疾患活動性の早期かつ持続的な改善、優れたベネフィット/リスク・プロフィールを示す。試験データを欧州リウマチ学会(EULAR)で発表。 |
| Zigakibart | IgA腎症患者を対象としたzigakibartの第Ⅰ/Ⅱ相試験の最新結果において、ベースライン比60.4%の強力かつ臨床的意義のある蛋白尿の減少、ならびに100週の治療期間にわたる推算糸球体ろ過量(eGFR)の安定を示す。これは、抗APRIL薬で報告されたこれまでで最長の治療の継続期間であり、長期にわたる安全性および有効性を立証。試験データを欧州腎臓学会議(ERA)で発表。第Ⅲ相BEYOND試験が進行中であり、2026年にデータ入手の見込み。 |
提携・買収など | ノバルティスは、マイクロRNA阻害薬の開発に特化する臨床段階のバイオ医薬品企業Regulus Therapeutics社の買収を完了。Regulus社のリード化合物であるfarabursenは、ファーストインクラスの治療薬となる可能性がある、miR-17を標的とする次世代オリゴヌクレオチドの常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)治療薬であり、最近、第Ib相が終了。この買収は、ノバルティスが注力する重点領域と一致し、腎疾患における当社の強みと知見を活かすもの。 7月、ノバルティスとSironax社は、ノバルティスに同社のBrain Delivery Module (BDM) プラットフォームを取得する独占的オプション権を供与することで合意。BDMプラットフォームは、さまざまなモダリティの治療薬の脳内送達を強化するよう設計された差別化された血液脳関門通過技術。 |
資本構成および純負債額
事業への投資と強力な資本構成、魅力ある株主還元の適切なバランスを保つことを今後も引き続き優先します。
2025年上半期、ノバルティスは、最大で150億米ドルの自己株式購入(2023年7月に発表され、合計1億4,090万株の自己株式を買い戻し、2025年7月1日に終了)の一環として、スイス証券取引所のセカンド・トレーディングラインを通じて、合計4,880万株の自己株式を53億米ドルで買い戻しました。さらに、160万株(株式価値2億米ドル)が、社員から買い戻されました。同じく2025年上半期に、社員持ち株制度関連の株式受け渡しにより、1,120万株(株式価値6億米ドル)が受け渡されました。ノバルティスは、社員持ち株制度による希釈化影響を今年中に相殺したいと考えています。この結果、発行済み株式総数は、2024年12月31日時点と比べて3,920万株減少しました。これらの自己株式の取引により、株主資本が49億米ドル減少するとともに、54億米ドルの現金が支出されました。
2025年6月30日現在の純負債額は、2024年12月31日時点の161億米ドルから238億米ドルに増加しました。増加の主な要因は、3月に実施された78億米ドルの年間配当金の支払い、54億米ドルの自己株式の取引による現金支出と、事業再編費、無形資産の取引およびそのほかの買収に伴う現金支出31億米ドルが、フリーキャッシュフロー97億米ドルを上回ったことです。
2025年第2四半期現在のノバルティスの長期信用格付けは、ムーディーズ・レーティングスがAa3、S&Pグローバル・レーティングがAA-となっています。
2025年通期業績予想
| 不測の出来事を除く;実質ベースの前年比成長率 | |
| 売上高 | 一桁台後半の成長率を予想 |
| コア営業利益 | 10%台中盤までの成長率を予想 |
主な前提条件:
- 業績予想を目的として、ノバルティスは、現在進行中の知的財産および薬事規制に関する訴訟の進捗状況により承認時期が左右されるものの、引き続きエンレストのジェネリック医薬品が2025年半ばに米国で上市されると想定しています。
外国為替の影響
2025年7月中旬の為替レートが2025年の残りの期間も継続すると仮定した場合、2025年通期での外国為替の影響は、売上高に対してプラス1ポイント、コア営業利益に対してマイナス1ポイントとなると予想しています。業績への為替影響の予想は、ノバルティスのウェブサイトで毎月提供されています。
免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了承ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。
ノバルティスについて
ノバルティスは、革新的医薬品の研究、開発、製造、販売を行うグローバル製薬企業です。ノバルティスは、患者さん、医療従事者、社会全体と共に病に向き合い、人びとがより充実した健やかな毎日を過ごせるため「医薬の未来を描く (Reimagining Medicine)」ことを追求しています。ノバルティスの医薬品は、世界中で3億人の患者さんに届けられています。詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.com
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