プレスリリース
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
ノバルティス ファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ジョンポール・プリシーノ、以下「ノバルティス ファーマ」)は、本日、MEK阻害剤「メキニスト®錠0.5mg / 2mg(一般名:トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物、以下「メキニスト」)」が、がん化学療法後に増悪した低異型度漿液性卵巣癌(ていいけいどしょうえきせいらんそうがん)(LGSOC:Low-Grade Serous Ovarian Carcinoma)を対象とした単剤療法として、効能追加の承認を取得したことをお知らせします。
LGSOCは卵巣癌(卵管癌、腹膜癌を含む)のまれな組織型であり、卵巣癌全体の5%未満と推定されています。比較的若年女性に発症する傾向があり、進行が緩慢で症状が乏しいため、多くが進行期で診断されます。また、一次治療として標準的に用いられる化学療法に対して抵抗性を示すことが報告されており、70%以上の患者さんが再発を経験するなど、治療上の課題が残されています。再発後も化学療法が主な治療選択肢となっていますが、その有効性には限界があり、新たな治療薬が長年求められていました1。
海外で実施された国際共同第II/III相医師主導治験(GOG281/LOGS試験) 2では、メキニスト単剤療法は標準的な化学療法と比較して、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の有意な改善を示しました。この結果を踏まえ、米国治療ガイドラインでは、再発LGSOC患者に対してメキニストによる薬物治療が推奨されています。
日本では、2022年に日本臨床腫瘍学会、日本婦人科腫瘍学会、ならびに卵巣がん体験者の会スマイリーよりLGSOCに対するメキニストの開発要望が厚生労働省へ提出されました。
今回の承認は、開発要望に基づき「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、既存の科学的根拠に基づいた公知申請を行うことの妥当性が判断され、承認申請が行われ、適応追加が認められたものです 3。
このたびの承認について、ノバルティス ファーマ 代表取締役社長 ジョンポール・プリシーノは次のように述べています。「今回の承認は、治療選択肢が限られていたLGSOCの患者さんに新たな可能性をもたらす大きな前進です。このように公知申請の枠組みを通じて、科学的根拠に基づきながら、より迅速に新たな治療法を提供することができました。私たちは “Reimagining Medicine” の理念のもと、今後も患者さんのアンメット・メディカルニーズに応える革新的な治療の提供に努めてまいります」。
公知申請について
公知申請とは、医薬品が既に有効性や安全性が医学的に公知であると認められた場合に、その医薬品の新たな適応を追加するための申請です。既存の科学的根拠に基づき、新たな治験を必要とせず承認申請を可能にする制度で、本剤のLGSOCに対する適応はこの枠組みの適用により迅速に承認されました。
ノバルティス ファーマ株式会社について
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置く革新的医薬品のグローバル製薬企業、ノバルティスの日本法人です。ノバルティス ファーマは、より充実した健やかな毎日のために、「医薬の未来を描く(Reimagining Medicine)」ことを追求しています。
詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.co.jp
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以上
参考文献
- 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構, 2025, 「トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物 事前評価報告書」(2026年2月13日取得,https://www.pmda.go.jp/files/000276425.pdf )
- Trametinib versus standard of care in patients with recurrent low-grade serous ovarian cancer (GOG 281/LOGS): an international, randomised, open-label, multicentre, phase 2/3 trial
- 厚生労働省「公知申請に係る事前評価が終了した医薬品の保険上の取扱いについて」(令和7年7月24日通知)
<参考資料>
製品名:
メキニスト®錠 0.5mg / 2mg
一般名:
トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物
効能又は効果*(下線部追加):
〈錠〉
〇 BRAF 遺伝子変異を有する悪性黒色腫
〇 BRAF 遺伝子変異を有する切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
〇 標準的な治療が困難なBRAF 遺伝子変異を有する進行・再発の固形腫瘍(結腸・直腸癌を除く)
〇 BRAF 遺伝子変異を有する再発又は難治性の有毛細胞白血病
〇 BRAF 遺伝子変異を有する低悪性度神経膠腫
〇 がん化学療法後に増悪した低異型度漿液性卵巣癌
〈小児用ドライシロップ〉
〇 標準的な治療が困難なBRAF 遺伝子変異を有する進行・再発の固形腫瘍(結腸・直腸癌を除く)
〇 BRAF 遺伝子変異を有する低悪性度神経膠腫
用法及び用量*:
錠
〈悪性黒色腫〉
ダブラフェニブとの併用において、通常、成人にはトラメチニブとして2mg を1 日1 回、空腹時に経口投与する。ただし、術後補助療法の場合には、投与期間は12 ヵ月間までとする。なお、患者の状態により適宜減量する。
〈非小細胞肺癌、有毛細胞白血病〉
ダブラフェニブとの併用において、通常、成人にはトラメチニブとして2mg を1 日1 回、空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
〈固形腫瘍、低悪性度神経膠腫〉
ダブラフェニブとの併用において、通常、トラメチニブとして以下の用量を1 日1 回、空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
- 成人には、2mg
- 小児には、体重に合わせて次の用量
| 体重 | 26kg 以上38kg 未満 | 38kg 以上51kg 未満 | 51kg 以上 |
| 投与量 | 1mg | 1.5mg | 2mg |
〈低異型度漿液性卵巣癌〉
通常、成人にはトラメチニブとして2mg を1 日1 回、空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
小児用ドライシロップ
〈固形腫瘍、低悪性度神経膠腫〉
ダブラフェニブとの併用において、通常、小児にはトラメチニブとして体重に合わせて次の用量を1 日1 回、空腹時に経口投与する。
| 体重 | 8kg以上9kg 未満 | 9kg以上11kg 未満 | 11kg以上12kg 未満 | 12kg以上14kg 未満 | 14kg以上18kg 未満 | 18kg以上22kg 未満 | 22kg以上26kg 未満 |
| 投与量 | 0.3mg | 0.35mg | 0.4mg | 0.45mg | 0.55mg | 0.7mg | 0.85mg |
| 体重 | 26kg 以上30kg 未満 | 30kg 以上34kg 未満 | 34kg 以上38kg 未満 | 38kg 以上42kg 未満 | 42kg 以上46kg 未満 | 46kg 以上51kg 未満 | 51kg 以上 |
| 投与量 | 0.9mg | 1mg | 1.15 mg | 1.25 mg | 1.4mg | 1.6mg | 2mg |
承認取得日:
2026年2月19日
製造販売:
ノバルティス ファーマ株式会社
*「効能又は効果に関連する注意」、ならびに「用法及び用量に関連する注意」の詳細については、電子化された添付文書(電子添文)をご覧下さい。
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